夜間に介護スタッフが少なくなる特別養護老人ホーム(老人介護福祉施設)では、自立の歩行が困難な方なども入所しています。
万一火災が発生したときに避難することなど難しい状況に立たされてしまう可能性がありますので、各介護施設では防火や避難計画を作成しておき、避難訓練も適切に行っておくことが必要です。
対応できることを行い、研修会や訓練で安全を確保する重要性を周知していきましょう。
防火・避難計画を作成している介護施設でも、建物の実態にそぐわない内容の場合もあります。形式的に避難訓練を行っているケースも見られますが、実際に火災が起きたときに困るのは利用者やスタッフです。
どこに感知器やスプリンクラー設備などの防災設備機器が設置されているか、壁や扉はどのような区画仕様になっているのか確認し職員で情報を共有しておきましょう。
火災が発生してしまった場合には通報・消火・避難が重要です。
初期段階であれば廊下など区画化を確実に行って、煙や熱を閉じ込めるようにしましょう。
利用者を無事に救出できるように、避難時間をスタッフ全員で共通認識しておき、目標時間内に確実に行えるようにしておくことが大切です。
そのためにも日頃の避難訓練は重要であり、実際の火災の現場では想定していなかったことまで発生すると留意しておく必要があります。
的確な判断で臨機応変な行動を求められることもあるので、様々なパターンを想定した避難訓練を実施しておくようにしましょう。
安全に避難できる場所は火から遠い場所です。屋外などに上がりたくても建物構造上、時間がかかってしまう可能性があります。
発生場所を考慮しながら、玄関や玄関口、ホールなども候補地として考え、最終的には屋外避難を目指しましょう。
一時避難する場所は外気や外光が入ったほうが安心できるといえます。ただし冬など寒い季節に急に外に出れば、急激な温度変化による体調不良(ヒートショック)を起こしてしまうかもしれません。
防寒や防風などに配慮すること、雨天の際には直接濡れないようにすることも必要です。
防火管理は、防火を対象とする物の実態に即して消防計画を作成しなければなりません。
計画は適切なものになっているのか、避難訓練も形式だけのものになっていないか見直しも行うことが必要です。
避難訓練を実施・検証した後に改善できる部分はないか検討し、適切な行動を取ることができるような消防計画を作成してください。避難訓練を行いながら、役割を複数のスタッフで分担し、だれが何をするべきか確認できる体制を整えておきましょう。