新型コロナウイルス感染症の影響が落ち着かない中、高齢者が多く利用する介護施設ではインフルエンザへの感染リスクについても考えていかなければなりません。
政府も一部の人を除いてインフルエンザワクチンの接種を待つよう呼びかけを行っており、重症リスクが高い高齢者などが優先的に接種できるような配慮をしています。
その呼びかけとは、65歳以上の高齢者や持病を持つ人以外はワクチン接種を10月26日まで待つようにという内容です。
高齢者にワクチン接種を優先させようという動きの理由は、高齢者がインフルエンザに最も感染しやすいからです。
東京都が公表している都内25か所の医療機関から報告されたインフルエンザを原因とする入院患者の報告では、80歳以上が最も多く70歳以上の高齢者だけで入院患者数の半数以上を占めているとされています。
2020年冬は近年では最も多い6,500万人分のインフルエンザワクチンが供給される予定となっていますが、地域により数が不足することも考えられるでしょう。
そのため重症化リスクの高い65歳以上の高齢者や、65歳以下の方で基礎疾患を持つ方や妊婦、小学2年生以下の子どもなどを優先して接種の対象にするとしています。さらに医療従事者や介護職員など、特定の職業に就いている方も優先の対象です。
ただしあくまでも接種する時期を調整することに協力してほしいという呼びかけであり、強制ではありません。
厚生労働省では、毎年9月になると毎週、インフルエンザ患者数を集計・公表しています。9月の第1週時点で前年同時期と比べた患者数は1,000分の1という結果です。
これは新型コロナウイルスへの感染予防対策が行われていることなど関係していると考えられるでしょう。
ほとんどの方が外出のときにはマスクを着用し、手指の洗浄や消毒などすっかり習慣づいていることが影響しています。
インフルエンザの感染経路は咳やくしゃみなどからの飛沫感染、そしてウイルスが付着したものに触れたことによる接触感染です。
マスクにより飛沫感染を防ぐことができ、消毒により接触感染も防ぐことができています。
新型コロナウイルスへの予防と同じく、インフルエンザについても同様に、感染・重症化を予防するための対策としてマスク着用・洗浄・消毒を徹底して行っていきましょう。
インフルエンザは毎年発生するものですが、それに加え2020年は新型コロナウイルスへの感染も危ぶまれています。介護施設でも引き続きしっかり予防対策を講じ、備えておくことが大切です。