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業務の繁閑に休暇を活用する方法とは?繁閑がある場合の1年単位変形労働時間制

2023.06.23
分類:総務

業種によっては、季節などで繁忙期や閑散期があるため、業務繁閑休暇などを設定するケースも見られます。

介護施設では季節による繁閑はそれほど大きく見られません。

しかしデイサービスなどにおいては、夏の暑さや冬の寒さによる影響で高齢者が体調を崩しやすいため、夏と冬は閑散期になりやすいといえます。

そこで、業務の繁閑に休暇を活用する方法と、繁閑がある場合の1年単位変形労働時間制について解説していきます。

労働基準法による規定

労働時間の原則は、18時間・140時間以内とされているものの、介護現場のように変形労働時間制を導入しているケースでは例外規定もあります。

まず、使用者が事業場の過半数代表者と労使協定を結ぶことが前提ですが、その内容が以下の場合には、特定された週または日に1週40時間・18時間を超えて労働させることが可能です。

“1か月を超えて1年以内の一定期間を平均したときに、1週間あたりの労働時間が40時間を超えない”

また、140時間とは、1年など単位期間平均であれば問題ないため、特定日に10時間勤務させたときや特定週に50時間労働があったときでも、単位期間平均が140時間なら時間外労働の割増賃金は発生しないといえます。

繁閑時期に合わせて、忙しいときは多く働いてもらい、閑散期には休んでもらうといったシフトを組むこともできるでしょう。

スタッフのモチベーション維持につながることが大切

業務閑散休暇などを制度として導入するのであれば、従業員の事情にも考慮することが必要です。

たとえば休暇が増えたり時短が進んだりしても、残業代が減ってしまえれば収入も減ることになるため、制度導入に不満を感じる方もいるでしょう。

そのため休暇制度など設ける場合には、従業員のモチベーション維持につながる制度であることが大切です。

就業規則や労使協定の定めも忘れず必要

休暇など制度を設けるときには、就業規則や労使協定の定めを忘れず行うようにしましょう。

仮に制度を導入した適切な運用がされているのに、されていないと訴えられた場合などは、就業規則や労使協定があることで運用されている証拠にもなると考えられます。

そもそも労働規制は複雑であるため、間違った運用で経営を揺るがすリスクも高まります。

新規の制度を導入するときには、内容を決める制度設計だけでなく、適切な運用ができる環境整備も重要です。