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合資会社と合同会社の違いとは?それぞれの特徴を簡単に紹介

2025.02.23
分類:その他

合資会社と合同会社は、どちらも出資者が経営者と同一となる持分会社です。

 介護事業を行うときには法人格の申請が必要ですが、株式会社ではなく合同会社などの持分会社が選ばれることもあります。

 ただ、持分会社にも合資会社や合同会社など種類があるため、違いを理解しておくことが必要です。

 そこで、合資会社と合同会社の違いや、それぞれの特徴を簡単に紹介します。

合資会社とは

 「合資会社」とは、無限責任社員と有限責任社員がそれぞれ1人以上で構成される会社形態です。

 無限責任社員は、会社の債権者に対し負債の全責任を負うのに対し、有限責任社員は出資額の範囲内で責任を負います。

 そのため合資会社の特徴として、以下が挙げられます。

 ・所有と経営が一致している持分会社である

・合名会社と同じく人的つながりを重視しており人的会社とも呼ばれる

・少額の設立費用で済む

・信用・労務・現物での出資も認められている

・株主がいないため自由に経営できる

・株主総会がないためコストや時間を削減できる

 合資会社は、フランス・ドイツ・米国ルイジアナ州など、大陸法諸国で認められる法人制度です。

 英米法でも、リミテッド・パートナーシップの類似の企業形態が制定されていますが、日本ではあまりなじみがなく、法人形態として選ばれることは少ないといえます。

  

 合同会社とは

 「合同会社」とは、出資者と経営者が同一であり、出資者全員が有限責任となる会社形態です。

 アメリカのLLCをモデルに、2006年の会社法改正で導入された法人形態です。

 出資者と経営者が同じであるため、意思決定が迅速であることや、会社運営のルールを柔軟に設定できることが特徴といえます。

設立費用も安く、手続も比較的簡単です。

ただし資金調達方法が限定的であるため、権利譲渡や事業承継が難しくなる恐れがあります。

出資者同士の対立で、経営や業務に悪影響を及ぼす恐れがあることも留意してください。

なお、定款で決められる範囲が広いため、実情や社員の意向などで自由度の高い運営が可能です。

 

合資会社と合同会社の違い

 合資会社と合同会社の違いは、責任の範囲などです。

 まず合資会社は労務提供による労務出資や、経営者の信用を会社に利用させることを目的にした信用出資が認められています。

 ただしこの出資形態は無限責任社員のみ認められているため、仮に会社が倒産すれば、負債全額の責任を負わなければなりません。

 他方の合同会社の場合、会社の所有・経営が一致し、社員は有限責任のため出資の範囲で責任を負います。