令和2年2月、内閣府は「認知症に関する世論調査」を行い、その結果を公表しました。
この調査では、認知症に関するイメージや不安についての6項目が対象となっていますが、その結果について紹介していきます。
令和元年12月、全国18歳以上で日本国籍を有する3,000人を対象に「認知症に関する世論調査」が実施されました。
調査は、
認知症の人と接する機会の有無
認知症に対するイメージ
認知症になった場合の暮らし
認知症に対する不安(本人自身)
認知症に対する不安(家族)
成年後見制度に関する認知
の6つの項目について実施されましたが、そのうちのいくつかをご紹介します。
これまで認知症の方と接したことがあるかという質問についてですが、「ある」とこたえた方が61.6%だったのに対し、「ない」とこたえた方は37.7%でした。
「ある」と回答した方の中で、「家族に認知症の方がいる」とこたえた方は47.7%だったため、家族が認知症になることで症状のある方と接する機会ができる方がほとんどといえます。
もしも自分が認知症になった場合、どのようなことに不安を感じるかという問いについては、次のような結果でした。
「家族に身体的・精神的負担をかけるのではないか」…73.5%
「家族以外の周りの人に迷惑をかけてしまうのではないか」…61.9 %
「家族や大切な思い出を忘れてしまうのではないか」…57.0%
「買い物や料理、車の運転など、これまでできていたことができなくなってしまうのではないか」…56.4%
家族が認知症になったとき、どのようなことに不安を感じるかという問いの結果は以下のとおりです。
「ストレスや精神的負担が大きいのではないか」…65.1%
「家族以外の周りの人に迷惑をかけてしまうのではないか」…58.3%
「経済的負担が大きいのではないか」…49.7 %
「自分(あなた)や大切な思い出を忘れてしまうのではないか」…47.1 %
認知症に関しては、自分がなったときも家族がなった場合でも、同じように様々な不安を抱いている方が多いことがわかりました。
今回の結果は、地域包括ケアシステムを利用して地域での生活を望んでいる人が多いことも確認できています。
認知症は誰がいつなるかわからないため、今回の世論調査の結果も踏まえつつ、どのように今後生きていきたいか考えておくことが必要です。