介護福祉事業情報ラボNursing care work Information Lab

新卒者は業界研究で福祉の仕事を知ることが大切

2021.06.25
分類:その他
高校や大学を卒業した後、どのような分野の仕事に就くのか、業界研究は新卒者にとって欠かすことはできません。そこで、福祉を学んでいる場合もそうでない場合にも、介護業界の特徴を知ってもらいましょう。

日本は高齢化が進んでいる

介護職は福祉や社会貢献などのイメージが強い業種ですが、確かに高齢化が進む日本においては需要が拡大している業界です。 高齢者の数が増えれば、要介護の認定を受ける方も多くなるため、ますます介護業界の需要は高くなっていくことでしょう。 今後、さらに成長が期待される業種といえますが、高齢者人口が減少し始める2040年まではこの傾向が続くと考えられています。

介護業界内では差別化が図りにくい

介護業界は行政が大きく影響することが特徴で、収益構造も介護保険や給付金などが関わるといった特殊性があります。 介護報酬は、利用者の自己負担分と行政から支払われることになりますが、大半は保険者である行政が負担します。介護サービスには、介護保険が適用されるサービスとそうでないサービスがあり、適用されるサービスについては内容ごとに厚生労働大臣が介護報酬を決定するため業界内で差別化が図りにくいのも特徴です。

介護業界は人手不足が深刻化している

現在、介護業界は人手不足が深刻化しているといわれていますが、需要と供給のバランスが崩れていることが主な原因です。 日本は高齢化だけでなく少子化も進んでいるため、もともと体力的・精神的にきつい仕事といったマイナスイメージから若い世代に敬遠されがちなのに加え、今後は若い働き手そのものが不足する可能性があります。 仮にハードな仕事でも給料が高ければ継続して働き続けようと考えるものでしょうが、実際には他業界と比較するとハードな仕事に見合わない賃金だと感じている介護職員が多いようです。

国の施策に期待したいところ

しかし介護報酬は行政がサービス内容に合わせて設定するため、提供するサービスで収益が決まり、その範囲で介護職員に対する給与を支払うしかない状況です。 介護報酬の見直しや改定はあるものの、介護職員の給料を大きく増やせるほどの改定はされていません。 ただ、勤続10年以上の介護福祉士に対しては、月8万円相当の賃上または年収440万円以上にするといった処遇改善なども国が施策として打ち出しました。 今後もニーズが高まる業界だからこそ、介護職員に長く働いてもらえるような仕組みが新たに打ち出される可能性はあると考えられます。