経営事項審査とは、発注者から公共工事を受注したい建設業者が、必ず受けることを必要とする審査です。
公共工事の発注は、公平性を保つために競争入札により、どの業者へ受注するのか決定されます。
経営事項審査では、経営状況や経営規模などを数値し、評価することとされています。
そこで、経営事項審査について、その構造やポイント、審査が必要な工事について紹介していきます。
経営事項審査が必要な工事とは、以下の発注者が発注する施設または工作物に関する建設工事です。
・国
・地方公共団体
・法人税別表第一に掲げる公共法人(地方公共団体を除く)
・上記に準ずるものとして国土交通省令で定める法人(関西国際空港株式会社・公害健康被害補償予防協会・首都高速道路株式会社・消防団員等公務災害補償等共済基金・地方競馬全国協会・東京地下鉄株式会社など)
また、建設工事1件の請負代金額は500万円以上(建築一式工事は1,500万円以上)の場合が該当します。
入札工事への参加を希望する場合には、経営事項審査での点数をアップさせることが必要不可欠といえます。
経営事項審査の構造として、まず以下の5項目に関する審査が行われます。
完成工事高=(X1)
自己資本および利払前税引前償却前利益=(X2)
経営状況=(Y)
技術職員数および元請完成工事高=(Z)
その他の審査項目(社会性等)=(W)
上記の項目はアルファベットで表記され、評点で定められた割合をかけて合計したものを経営事項審査の点数とします。
の経営事項審査の点数は総合評定値(P)といいますが、算出方法は以下のとおりです。
総合評定値(P)=X1×0.25+X2×0.15+Y×0.2+Z×0.25+W×0.15
P点の最高得点は2,136点で、最低得点は281点となり、平均点は700点ぐらいになる設計がされています。
経営事項審査で点数をアップさせたいのなら、その他の審査項目(社会性等)のWをしっかり取ることが必要です。
1項目あたりプラス21点となるため、大幅に点数を引き上げることも期待できます。
また、社会保険加入はすべて「有」とすることが必要であり、仮に未加入なら減点の対象です。
従来までは、合計点0に満たない倍は0とされていましたが、下限の撤廃によりW点の最低点はマイナス1995点とされています。
そのため健康保険・厚生年金保険・雇用保険へ加入することは必須であると留意しておくことが必要です。