
建設工事業における事業拡大は、単なる受注高を増やすことを目指すのではなく、労働力不足解消や脱炭素社会への対応などを目的とします。
施工体制を維持することが難しい時代での事業拡大は、従来までに固執しない柔軟性が求められます。
量から質への転換する今、売上ばかりにとらわれず、「デジタル技術と環境性能を武器としたソリューション提供者」へと進化していきましょう。
そこで、建設工事業における事業拡大について、手法の種類や内容を簡単に紹介します。
建設工事業の事業拡大において、設計から施工、施工から維持管理や運営までを一貫して行う垂直統合型の拡大の必要性が求められます。
従来までは、造って終わる請負型ビジネスでしたが、バリューチェーン型のビジネスで、竣工後の建物メンテナンスや管理までをグループに取り込めば、景気に左右されない基盤を構築できます。
また、改正物流効率化法の影響もあり、資材調達や運送部門の内製化などで、サプライチェーン全体を調整することも事業拡大の戦略とされています。
社会ニーズが変化している現在、建設業が新たな市場へ進出することが事業拡大の鍵となるでしょう。
木造中高層建築や省エネ改修など、環境への付加価値の高い分野へ進出することは、コンサルティング機能を有した事業拡大といえます。
また、自社開発の施工管理システムやロボット技術などを外販するなど、テック企業の側面を持つことで、労働集約型から脱却する動きも増えつつあるようです。
建設工事業では、自社のみで成長するのだけでなく、M&Aによる合併または買収などで事業拡大するケースも見られます。
既存の経営者の高齢化が進む中で、後継者候補が不在の中小建設会社では、DX推進力のある企業の買収が加速しています。
規模を拡大することのみを目的とせず、技術やノウハウ、地域基盤を一手に引き継げることも動きを加速させる理由といえます。
建設工事業の事業拡大において、最も注意しなければならないことは、人手を無視した拡大を回避することです。
時間外労働や労働時間の制限が厳格に扱われているため、無理に事業を拡大しても、法令違反や品質低下を招く恐れがあります。
企業ブランドの失墜につながらないとも言いきれないため、会社のホワイト化と生産性向上を同時に進めましょう。
従業員の定着と、業務効率化が進めば、次の一手へ進むことのできる健全な拡大サイクルが企業の持続と成長を実現します。