マンションの購入を検討している方にとって、買う上で必要な情報はたくさん収集できても、購入後に必要となる大規模修繕に対する情報などは誰も教えてくれないこともあります。
しかしマンションは一定周期ごとに大規模修繕工事が必要となるため、マンションで生活する方だけでなく工事を行う業者もそれぞれ様々なことに注意しておくことが必要といえます。
マンション屋上に備えられた防水塗装や外壁タイルなどは、風雨にさらされている状態となるため強烈な紫外線を浴び続けている状態です。
そのため少しずつ劣化を進め、劣化した部分から雨水などが浸入するようになり、建物を老朽化させていきます。
建物の劣化が目に見えてくるのは新築されてから10年を過ぎたころですが、大規模修繕工事には費用がかかるため、20年を1つの目安として修繕計画を進めている場合もあります。
しかし新築から10年後、すでに不具合が発生している状態で工事を施さず、放置したままさらに10年経過させる行為は致命的な劣化を招くことにもなりかねません。
そのため修繕計画を長期に設定しすぎないことが重要になるといえるでしょう。
実際に大規模修繕工事を行う場合でも、開始されるまで計画、調査などさまざまな手続きが発生することになります。
工事規模の大きさに違いはあるでしょうが、マンション住民に対する騒音やホコリ、臭い、振動への配慮も必要です。
騒音や振動をできるだけ抑えることが可能な機材も開発されていますし、塗料や接着剤も臭いが軽減されたものはあります。しかしまったく騒音や臭いを出さないということはできませんし、外壁改修を行う際に発生する粉じんにより、周辺住民が洗濯物を外に干せないといった問題などでクレームが出る可能性もあるのです。
ただ、大規模修繕工事によるクレームの多くは、工事にかかる期間や時間を周辺住民の方に周知されていないことが原因のことが多いため、事前に管理組合を通した説明会の開催や、張り紙や回覧板、各家庭のポストへのお知らせの投函などで周知を徹底しましょう。
また、大規模修繕工事で発生するクレームはマンション住民だけでなく、マンション周辺に住む住民の方からも起こりがちです。
施工会社は近隣に対し工事のお知らせなどを行うものの、やはり管理組合でも事前に近隣住民に対する周知を行ってもらうように促したほうがよいでしょう。
トラブルを最小限に抑えるためにも、近隣や住民に対する周知を徹底しておくことが大切です。