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金融緩和が与える建設業への影響とは?

2016.05.23
分類:その他

長い不況が続いた建設業界に訪れた春

 2020年に開催される東京オリンピックやアベノミクスにおける公共投資、日銀の金融緩和などの影響で湧きに沸いている建設業界ですが、これまで長きに渡っていた不況の中やっと訪れた春です。その状況にも変化が訪れており、2%が目標だったインフレまではまだハードルが高い状況です。そして2016年1月に日本の金融政策で史上初となるマイナス金利を導入しました。この政策へのかじ取りがこの先の建設業にどう影響するのかが注目されます。

 

 これまでの建設業界

 まず2013年に日銀が金融緩和を導入したことで不動産や株などの金融資産の価値は高騰しました。2015年度の日本企業の業績は過去最高になるなど、円安や経済全体の活性化が大きく影響しています。

 オフィスビルの建設が進み、空室率は解消され、都市開発や公共投資など国策が助けとなって建設業に関わる景気は活気を見せました。

 業界全体で見た場合の建設株が2014年と2015年は上昇しているのを見てもわかるように、この2年間で業績が急回復したことがわかります。

 

現在の建設業界

 現況は不動産の販売が鈍るなど建設費の高止まりの影響を受けています。そこで建設の受注の減少によって売上も減少する歯止めとなったのは日銀の追加金融緩和策です。

 

マイナス金利が建設業に与える影響とは

 マイナス金利政策が実際に建設業にどんな影響を与えるでしょう。まず金利が低下すれば貸出金利が低下します。家の購入など建物を建てるためには融資を受ける場合が多いため、支払う利息が少なくなるならと住宅ローンで家の購入を検討する人が増えると考えられます。今後マイナス金利政策がすぐ撤回されるということは考えにくいので、建設業にとっては将来的に良い影響があると期待できます。

 

金融緩和の影響はどこまで続く?

 ただし政策は市場の動向が大きく影響を与えます。世論の動向がどう変わるかで、政策も変化する可能性があります。これまで安倍政権と日銀は市場にとってインパクトが強く影響も多大だったのですが、仮に政権交代が行われ日銀総裁が変わるなど変化があれば建設業はまた違った影響を受けることになるでしょう。

 

金融緩和が建設業に与える影響

 そもそも日本が打ち出した金融緩和政策の目的は経済を成長させることです。建設業は地域の社会資本整備を通して産業活性化するという大きな役割を担っています。今後金融緩和が建設業に与える影響が吉と出れば、建設業は景気を取り戻し売上の伸びを高めることはもちろんのこと、雇用促進などにも大きく貢献できると考えられます。建設業が社会基盤を整備する基礎となることで景気に変動をもたらすことが期待できるでしょう。