地方建設業は、建設市場の縮小や、現場の人手不足と高齢化など色々な課題を抱えています。
地域社会や経済を支える役割を担う地方建設業は、今後、衰退しないためにも解決すべき問題の洗い出しと解消が急務といえます。
そこで、地方建設業について、建設業全体と地方建設業の役割と解決すべき問題を解説します。
建設業の本来担うべき全体の役割は、時代の流れや地域環境の変化で求められる社会基盤や社会資本を作り、適切な維持管理を行って社会を支えることです。
現在だけでなく、50年後や100年後にも目を向けてストック効果を生み出すことが必要といえます。
社会資本を整備し、地方に新たな産業をもたらすことで、農林水産業の生産性や付加価値性を高めることができます。
地方の自立や活性化を促すことで、都市の過密と地方の過疎など、高度経済成長の弊害が是正されます。
建設業は、地方への社会資本整備を通じ、地域産業を活性化する役割を担います。
また、公共事業の現場は、地域雇用の現場にもなり、地方雇用の受け皿の役割も担うといえるでしょう。
建設業が解決すべき問題とは、国土が脆弱であることや、山間地が多いことです。
また、自然災害が多発する日本では、気候・風土を熟知した地域に根ざした建設会社が必要不可欠といえます。
建設業を取り巻く厳しい環境下では、本業だけで経営が成り立たないことも少なくありません。
労働力不足やデジタル化の遅れなども、深刻な課題として挙げられるでしょう。
今後、建設業のみでの事業運営の厳しさを見越して、自己資本の充実に努めつつ、過当競争になりにくい業種などを選び、経営の多角化を行うケースもあるようです。
経営の多角化に関して重要なことは、建設業の強みと地域の特色を生かせる事業を考えることが必要です。
地方の建設業の役割は、以下のとおりです。
・道路ネットワークの整備で交通アクセスを改善する
・港湾や空港の整備で物流機能を強化する
・上下水道の整備で生活環境を改善する
・公共施設の建設で地域の利便性を向上する
・住宅・学校・保育所などの身近な施設の整備をする
建設業は、道路・河川・橋梁・下水道などの社会資本を整備・維持・管理することで、国民生活や経済活動の基盤を支えます。
災害が発生したときには迅速に復旧作業を行い、地域の安全・安心を守ることが地方建設業の役割です。