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建設業界に新たな風を吹き込む存在としてスタートアップが期待されている理由とは?

2021.01.14
分類:その他
コンテックとは、建設(Construction)とテクノロジー(Technology)が組み合わされてできた造語であり、2015年頃からアメリカを中心として加速してきたIT技術による建設業界を革新させることです。 革新的な技術などで急成長を狙うスタートアップ企業などが活躍しながら、AIやIoT、VRなどの最先端技術を建設現場に生かす動きも活発化されています。 これからの時代、建設業界において主流になることが予想されますが、具体的にどのような取り組みなのかご説明します。

日本でもだんだんと建設現場のIT化が進行中?

日本の建設業界は50兆円を超える巨大市場といわれていますが、複雑な業界独自の構造や慣習などが消えておらず、新たな企業が参入しにくい状況です。そのためアメリカなどと比較して、コンテックによる取り組みはまだ遅れているといえるでしょう。 しかし、最近ではi-Construction(アイ・コンストラクション)という国土交通省による測量・設計・施工・検査・維持管理といった事業プロセスでテクノロジーを導入する動きも見られるなど、IT能力の高い建設スタートアップが続々と参入するようになりました。

どのようにスタートアップが建設業界に参入している?

日本のスタートアップ企業が資金を調達している金額も右肩上がりで、億単位の資金を調達している建設スタートアップも少なくありません。 大手ゼネコンと呼ばれる企業などがスタートアップ企業に出資、または協働してともに運営するケースも見られます。 さらに大手が新興企業に募集をかけて、資金面をサポートしつつ事業共創をめざすプログラムによる新事業の創出なども行われています。

なぜ建設業界ではスタートアップに期待しているのか

建設業界がスタートアップ企業に対し期待している理由として、まずは業界が慢性的な人手不足にあることが関係しています。 建設現場で働く技術者は高齢化しており、2025年にはさらに人手不足が深刻化することも予想されている状況です。 ネガティブなイメージが強い建設業界では、若い世代が就労を希望することも少ないため、業務効率化・省人化・生産性向上は欠かせない課題になっています。 そこで、最先端技術を駆使しながら建設業界が抱える、問題や課題を解決に導いてくれる存在としてスタートアップ企業に期待がかかっているのです。 組織の規模が大きくないからこそ、柔軟でスピーディな対応を可能とするのもメリットとされています。

実際にどのような技術などが提供されている?

建設スタートアップが提供している技術やサービスの事例として、 ・ドローンやレーザーの開発やそれらを活用した測量、点検など ・企画から施工まで工事全体の過程を見える化させるプロジェクトマネジメント ・センサーなどを使い建設現場の情報をデータ化する ・インターネットを使った建機や建材などの売買 ・工事の受発注や現場で働く人をマッチングさせるプラットフォームの開発 などが挙げられます。 今後も新たな建設スタートアップが参入し、さらに高い技術を開発・提供していくなど、フィールドは拡大されることが予想されますが、いずれも建設業界の革新に直結していくことが期待されます。