建設業界では、解体工事などで「はつり」という言葉を使うことがありますが、意味がよくわからないという方もいることでしょう。
そこで、解体工事とはつりはどのような関係があり、どんな作業なのか、解体工事との違いについて解説します。
「はつり」とは「斫り」と記載しますが、工事現場などでコンクリート製品を削ったり切ったり、壊したり穴を開けたりといった作業全般を指します。
建設現場では、コンクリートで建てられた建物の壁や土間などの構造物を壊すことや、形を整えるため表面を削ることがありますが、この作業が「はつり」です。
建物をリフォームするときや解体するなどに一般的な作業として行われますが、重機械など使って建物自体を取り壊すときには、はつりではなく解体工事といいます。
人が行う作業を示していることが多く、はつりを専門として行う業者を、「はつり工」や「はつり屋」と呼ぶこともあります。
建物のはつりを作業として行わず、そのまま塗装材を埋めた場合には、塗り床面が浮いてしまい数か月で剥がれてしまうことになります。
せっかく補修工事をしたのに、再度を依頼しなければならなくなるといった問題が起きることになるでしょう。
補修や改修工程は日々の作業を止めて行うため、工期厳守の妨げになる可能性もあります。
はつり工事の流れとして、従来までは「ノミ」をハンマーで叩いてコンクリートを割る方法が用いられていました。
現在では「圧縮空気」や「油圧・電動モーター」などの備わった機械を使って、ハンマーの代用に使うことが多いといえます。
機械で専用のノミを叩き、コンクリートを砕くといった方法が現在のはつり工事です。
コンクリートのはつりでは、大量に粉じんや騒音が発生するため、養生など周囲に迷惑をかけない対策が必要になります。
はつり工事と解体工事の違いとして、工事する範囲が異なることが挙げられます。
解体工事は建物そのものを壊す工事であり、重機など大掛かりな機械を使っって大規模な工事を行います。
一方のはつり工事の場合、コンクリートやアスファルトなどを加工する工事であり、一部解体する小規模なイメージです。
現場によって解体工事と同時にはつり工事を行うこともあるため、まったく異なる工事というよりも関連工事と認識しておくとよいでしょう。