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建設工事は下請け・孫請けなど重層下請構造が基本!それによる弊害とは

2021.01.15
分類:その他

建設工事を担当する建設業界は、元請けから下請け、下請けから孫請けといった重層下請構造の請負契約が基本となっています。

そこでどのような業者が元請けや下請けと呼ばれ、さらには孫請けとなるのか、一次請けや二次請けという言葉の意味などについてご説明します。

元請けと下請けの関係

建設工事の元請けとは、もともと仕事の依頼を発注主から直接請けた企業などのことを指しています。

元請けが受けた仕事の一部や全部を、また別の会社に発注する場合、その相手は下請けとなります。

発注先から元請けが仕事を請け負い、その仕事を下請けに発注するときには中間マージンが徴収され、さらに下請けから次の下請けである孫請けに仕事が依頼されるときにもマージンが発生します。

そのため元請けを頂点とし、ピラミッド構造で下位層に位置する下請けや孫請けになるほど、仕事内容は同じでも受け取る報酬は少なくなっていく状態です。

 

一次請けや二次請けとは?

一次請けとは、元請けから別の会社などに仕事が発注されたとき、その仕事を請け負う相手が一次請けの下請け業者となります。

下請けが一次請けした仕事を、また別の会社に依頼すると、二次請けとして孫請け業者が受注します。

孫請けは下請けから仕事を請け負う企業のことといえますが、建設業界では二次請けの孫請けにとどまらず、三次請けや四次請けなどもめずらしくありません。

元請けが大手建設会社でも、専門工事会社に直接だとしても、現場で実際に工事をするのは専門工事会社の職人というケースがほとんどです。

 

重層下請構造でどのような弊害が発生するのか

建設業界の重層下請構造は、個々の企業で工事内容の高度化など専門化・分業化・機器や工法の多様化への対応です。

ある程度は必要で合理的とされる反面、施工の役割や責任の所在が不明確になり、品質や安全性が低下するといった問題も指摘されています。

そのため重層下請構造を改善させるため、建設生産システムが適正化されることや、技術者や担い手を確保・育成するための環境が整備されることが必要です。

 

下位層の下請けにとっては大きな問題

建設業界で収益を大きく上げたいのなら、仕事を元請けとして受注できるかに左右されることになってしまいます。

さらに工事完成から入金までの期間も、下位層に位置する下請けは長くなりがちのため、資金繰り悪化といった問題を抱えてしまうことになるでしょう。

建設業界で重層下請構造が継続されることは望ましいとはいえず、施策などで改善されていくことが必要といえます。