建設工事をしていると、産業廃棄物が発生し、どのように処理するべきなのかわからないというケースもめずらしくありません。
そこで、産業廃棄物の処理方法について、排出事業者・運搬業者・処理事業者のそれぞれの役割を解説していきます。
産業廃棄物は、次の4つの段階に分けて処理されます。
①分別・保管
②収集・運搬(積替)
③中間処理
④再生処理・最終処分
まずは排出事業者から排出された産業廃棄物を分別・保管し、次に収集運搬業者が収集・運搬して、最後に処理業者へと引き渡されます。
受け取った処理業者は、産業廃棄物の種類に応じて中間処理を行い、再生処理または最終処分を行って処理完了です。
産業廃棄物の処理において、排出事業者が行うことは次の2つです。
・分別
・保管
それぞれ説明します。
分別
産業廃棄物は、燃え殻・汚泥・ゴムくず・金属くずなどが混ざっているため、種類ごとに分けることが必要です。
分別できないものや難しいものは混合廃棄物として、分別した廃棄物とは分けてまとめて管理します。
保管
分別した産業廃棄物は、収集・運搬するまで保管しておくことが必要です。
保管場所の周囲には囲いを設置し、産業廃棄物の保管場所であることを示す掲示板など設置するようにしてください。
産業廃棄物の処理において、収集・運搬業者が行うことは次の2つです。
・収集・運搬
・積替
それぞれ説明します。
収集・運搬
産業廃棄物を収集して、処分場まで運搬しますが、都道府県から許可を得なければできない作業です。
荷積みと荷卸しで都道府県をまたぐ移動の際には、各都道府県から許可を得なければなりません。
積替
積替は、一旦産業廃棄物を降ろし、別の車両へ積み替えることや、ある程度の量をまとめて運搬することです。
周囲に囲いがされた場所で行うことが必要であり、飛散・流出させない対策などが必要となるため、決められた一定基準に従った上での作業となります。
産業廃棄物処理の処理において、処理事業者が行うことは次の3つです。
・中間処理
・再生処理
・最終処分
それぞれ説明します。
中間処理
再生処理や最終処分しやすい状態にする作業であり、焼却・破砕・脱水・選別などの方法や、無害化・安定化などの方法もあります。
再生処理
リサイクルのことであり、産業廃棄物を加工し、再び使用できる状態へと戻していきます。
最終処分
産業廃棄物を埋め立てることであり、埋立場所は土と海の2種類です。
土は限りがあるため、新たに開設も容易ではありません。
そのため産業廃棄物の排出自体を減らすことや、再生処理などが必要といえるでしょう。