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建設業のクレーンによる災害事故を防ぐために必要な安全衛生教育とは?

2019.08.29
分類:その他
建設業界でクレーンなどによる死亡災害は減少傾向にあるものの、建設業事態が事故や災害の多い業種となっているため、より一層、クレーンなどによる災害を防ぐ必要があります。 特に、クローラやホイール、トラックなど移動式クレーンの災害による死亡事故は、全体での災害死亡者数に対して高めであることを重く受け止めなければなりません。

なぜ安全衛生教育が必要?

近年の技術発展や法令改正などに対応するように、移動式クレーン運転業務でも安全衛生水準を向上させるために、労働安全衛生法では移動式クレーンの運転業務に従事する運転士(免許者)に対し、指針に基づく安全衛生教育を実施することが必要とされています。 危険性の高い作業であるクレーンの操作などについて、移動式クレーン運転士を対象とし、移動式クレーンの安全装置、取扱いや保守管理、技術の進歩に対応できる知識、正しい施行方法や手順など、様々な内容を安全衛生教育で認識を深めることが、労働災害を防止することに繋がると考えられているからです。

安全衛生教育の対象者は?

主に安全衛生教育の対象となるのは、クレーン等の運転や玉掛け業務などの業務に従事する方、これらの業務で特別教育が必要であると考えられる業務に従事している方、さらにこれらに準ずる危険・有害な業務に従事している方です。 教育の実施時期は概ね5年毎に行うことが求められます。移動式クレーン運転経験が5年程度の方や、5年ごとの節目を迎える方を対象として実施することが必要ですし、移動式クレーン運転士も積極的に受講することが必要ということです。 また、クレーン等の設備や操作方法に変更がある場合や、操作方法を間違ったことで労働災害が起きた場合などは随時教育が必要になります。 随時教育に準じた教育は、資格を取得後概ね3年くらいで初めて業務を行う方や、一旦は業務を離れていたけれど再度業務に就く方を対象として行いましょう。

自社で安全衛生教育を行うことが難しいなら

なお、一般社団法人 日本クレーン協会などでは厚生労働省の指導のもと、事業者に代わり指針に基づく安全衛生教育を定期的に実施しているようです。 自社で教育を行うことができない場合には、日本クレーン協会で開催されている安全衛生教育を受講させることも検討してみてはいかがでしょう。 ・クレーン運転業務従事者に対する安全衛生教育の対象者 クレーン・デリック運転士、クレーン運転士、床上操作式クレーン運転技能講習修了者、クレーン特別教育実施者 ・移動式クレーン運転業務従事者に対する安全衛生教育の対象者 移動式クレーン運転士、小型移動式クレーン運転技能講習修了者 ・玉掛け業務従事者に対する安全衛生教育の対象者 玉掛け技能講習修了者 (参考:一般社団法人 日本クレーン協会http://www.cranenet.or.jp/)