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運送業における労務管理とは?拘束時間や運転時間の限度やポイントを解説

2025.03.02
分類:総務

運送業における労務管理とは、運転者や従業員の労働時間・休憩時間・福利厚生・安全衛生など、労働における環境や条件に関連する事項の管理です。

 ドライバーの労働時間における基準は、一般の労働基準法よりも厳しい定めがされているため、運送業ではより適切に労働管理を行うことが必要といえます。

 運送業の労務管理の種類として、労働時間・休憩時間・乗務割作成・運転日報電子化などが挙げられます。

 そこで、運送業における労務管理について、拘束時間や運転時間の限度やポイントを解説します。  

運送業の労務管理とは

 運送業の労務管理とは、労働時間・拘束時間・運転時間・休息期間などの項目を管理し、ドライバーの安全と健康を守ることです。

 法律上の定義は、労働者が使用者の指揮命令下にある状態が労働時間であり、勤務時間が労働時間ではありません。

 始業時刻から終業時刻までの勤務時間のうち、休憩時間を除く時間です。

 運送業の労務管理では、労働時間以外にも、拘束時間・運転時間・休息期間なども細かく管理します。

  

拘束時間とは

 拘束時間とは、労働時間と休憩時間(仮眠時間含む)の合計です。

 労働時間には、時間外労働・休日労働・運転・整備などの作業の時間、荷待ち時間を含みます。

  

 休息時間とは

 休息期間とは、勤務と次の勤務の間の時間です。

 睡眠時間を含む労働者の生活の時間であり、労働しない自由な時間を指します。

 1日の休息期間は継続8時間以上が必要です。

  

 拘束時間の限度

 1か月の拘束時間は、原則293時間が限度です。

 1年のうち6か月まで、1年間の拘束時間が3,516時間を超えない範囲で、1か月320時間までの延長は可能とされています。

 1日の拘束時間は13時間以内、延長も16時間が限度です。

 

 運転時間の限度

 運転時間にも限度があり、1日の運転時間は始業時刻から48時間の平均で、9時間が限度です。

 1週間の運転時間は2週間ごとの平均で44時間が限度とされています。

 連続運転時間は4時間が限度です。

 1日あたりの運転時間は、特定の日を起算日とし、2日ごとに区切って2日間の平均とすることが望ましいといえます。

  

運送業の労務管理のポイント

 運送業の労務管理のポイントは以下のとおりです。

 ・労働時間や乗務時間を定めて労働基準法や改善基準告示の違反にならないか確認する

・適切に休憩時間を確保する

・勤怠管理システムの導入で勤務時間の自動入力・集計・給与計算を行う

・運転日報の電子化で勤務時間を正確に記録する

・ドライバーの疲労や健康状態の把握で安全指導を行う