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ワインの運送方法とは?温度に敏感な理由と最適な保管温度を紹介

2024.12.03
分類:その他

ワインの輸入においては、厳密な温度管理が求められます。

 まずワイナリーからトラック輸送、さらに空港から船または飛行機でワインを移動させていく流れです。

 飛行機は輸送コストが高いため、ボージョレヌーヴォや緊急輸入用にのみ使用し、通常は海路での移送となります。

 いずれの場合でも温度管理を適切に行わなければ、味や風味などが変わってしまうため注意しなければなりません。

 そこで、ワインの運送方法について、温度に敏感な理由と最適な保管温度を紹介します。

ワインは温度に敏感

 ワインは温度に大変敏感な飲み物です。

 温度が高い場所に保管すると、味や香りが簡単に変わってしまいます。

 影響の出方は好ましくない傾向があるため、熱の影響を受けたワインは熱劣化していると表現されることもあります。

 そのため夏場の暑い日に常温輸送しワインや、押し入れにしまい込んだままで一夏を過ごしたワインなどは、風味や味が本来のもの違うと感じられることも少なくありません。

  

ワインの運送方法

 ワインを運送する場合、以下の方法があります。

 ・輸送経路…ワイナリーからトラック輸送で港や空港まで行き、船や飛行機で日本へと運ぶ

・輸送単位…1パレット(通常12ボトルケースを60ケース)ごとにまとめて輸送する

・輸送コンテナ…ワイン保存に適した約15℃を維持できるリーファーコンテナと、温度管理のないドライコンテナのうち、赤道付近を通過する海上輸送ではリーファーコンテナを使用する

 実際にイタリアから日本へと輸送されるワインの9割は、ドライコンテナによる輸送と言われています。

  

ワイン輸送に最適な温度

 ワイン輸送に最適な温度は、11℃を中心とした1018℃といわれています。

 20℃までは致命的なダメージはそれほどないとされている一方で、25℃を超えればワインに含まれる揮発性化合物に影響が出るため、香りや風味が変わってしまうようです。

 そのため温度の変化はワインの品質に影響を与えると考えられるため、輸送中の温度変化で品質を落とさないことが輸送における課題といえます。

 時間を経たワインは特に温度による影響に敏感であるため、古いヴィンテージワインを18℃超で保管すると、急速に熟成が進むリスクを高めます。

 専用セラーを使用している場合でも、保管温度を完全一定することは難しいため、開閉における温度上昇も考慮して低めに設定にしておくことが望ましいと考えられます。