運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

野菜の運送方法とは?輸送の問題点や運送方法の種類・積載における配慮の必要性

2024.12.05
分類:その他

野菜の運送は特に注意が必要であり、農産物は環境変化に敏感であることを理解しておく必要があります。

 作物の特性・弱点を把握した上で、温度の管理や積載方法などを配慮し、万全といえる状態で運送することが求められます。

 生産者の大切な収穫物を消費者へ安全に届けることが運送会社の使命といえますが、野菜の運送方法について、輸送の問題点や運送方法の種類・積載における配慮の必要性を紹介します。

野菜の輸送の問題点

 野菜の輸送の問題点として、以下のことが挙げられます。

 ・物流費が高くなりやすい

・流通が異なる生鮮野菜と加工野菜に対応することが必要である

・ドライバーが足りていない

・計画的な物流が難しい

・輸送距離が長いため運転時間も長時間になりやすい

・積載率が低下してしまう

・出荷先を絞り込む傾向が見られる

 また、問題が起こっている背景として、次の要因が考えられます。

 ・農産物は多品種であるため節や天候で取扱量が変動すること

・小ロットの輸送が多いため平準化が難しいこと

・消費者と生産地が離れているケースが多いため物流費用が高くなりやすいこと

・農産物の品質保持のため収穫後は速やかな輸送が求められること

・ドライバーの高齢化と減少や労働時間規制強化により輸送体制維持が難しくなっていること

 

 野菜の運送方法の種類

 野菜の運送方法には、以下の種類があります。

 ・常温で送る

・冷蔵便を利用する

このうち、常温で送る場合には次のことへ注意してください。

・常温で保存できる野菜は袋に入れてダンボールに詰める

・袋は密封せずに隙間や穴をあけておく

・野菜とダンボールの間に隙間があるときは緩衝材で動かないようにしておく

・気温28°Cを超える夏場は冷蔵便を使う

なお、冷蔵便を利用するときは発送前に野菜をしっかり冷やしておくことが必要ですが、その理由は以下の2つです。

・配送業者が提供する冷蔵便は冷えた状態を保持することを目的としている

・荷物が冷えていなければ運送業者に引き受けてもらえない場がある

 

積載場所にも配慮が必要

 野菜を車両に載せるときには、積載場所にも配慮が必要です。

 野菜は湿度に影響されるため、乾燥に弱い種類には注意が必要となります。

 冷凍機から吹き出す冷気に野菜が触れてしまうと、乾燥してしまいます。

 吹き出し口の前は積み上げを低くすることや、毛布やシートで保護する方法で、冷気があたらないように工夫しましょう。