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関税とは?物品の輸出入に課される税金の計算方法や納税のタイミングを解説

2025.01.03
分類:その他

関税とは、物品の輸入と輸出に際して課税される税金です。

 自国の産業を守るための税金が関税であるといえるものの、グローバルな動きが加速したため、時代と逆行する存在になっているともいえます。

 国境を越えて販売される物品は、税関当局で関税が課されます。

 そこで、関税について、物品の輸出入に課される税金の計算方法や納税のタイミングを解説します。

関税とは

 「関税」とは、物品の輸出入で課せられる税金です。

 歴史的に古代都市国家における手数料から始まり、内国関税と国境関税などの変遷を経てきました。

 一般的に輸入品に課される税と定義されていますが、以下の2種類に分けることができます。

 ・輸入関税(物品の輸入に際して輸入国が課す関税)

・輸出関税(物品の輸出に際して輸出国が課す関税)

 また、税収入を目的とした財政関税と、自国産業保護を目的とした保護関税にも大別されます。

 上記の輸入関税と輸出関税について、それぞれ説明します。

 

輸入関税

「輸入関税」は、海外から農作物や工業製品など物品を日本へ輸入するときに課される税金です。

輸入関税の目的は、現地の政府が収入を得ることであり、消費者の支払う物品の最終価格を引き上げることといえます。

海外製品の価格を上げて、関税対象外の国内市場から購入を促します。

 

輸出関税

「輸出関税」は、自国の資源や製品を海外へと輸出するとき、輸出国の課す税金です。

天然ガス・石油・レアメタル産出国などの資源輸出国の税収入を増やすことが目的であり、資源の輸出に制限をかけて、計画的に資源を活用することや国際価格水準を維持することとしています。

 

関税の計算方法

 関税の計算方法は、以下のとおりです。

 関税=課税対象価格×関税率

 課税対象価格とは、商品代金とは別で輸送量や保険料を含む料金といえます。

 関税率は輸入国が決定するため、基本的に関税を納めるのは輸入側です。

 輸入側も関税負担の前提で、輸入品の価格交渉を行います。

 

関税を納めるタイミング

 関税を納めるタイミングは、税関官署に輸入申告をするときです。

 このタイミングは「通関」と呼ばれており、通関業務は代行業者の通関業者に委託することが多いといえます。

 一般的に通関業者へ関税分の料金を支払うことが必要です。

 国際宅配便の利用においては、荷物配達のタイミングでドライバーへ関税分と国内消費税分を合わせて支払います。