鉄道貨物とは、鉄道を使って輸送する貨物で、以下の種類があります。
・車扱輸送(貨車に貨物を積み込み運ぶ)
・コンテナ輸送(コンテナに貨物を納めて運ぶ)
カーボンニュートラル実現に向けて、物流業界でもCO2排出量削減の取り組みが進む中、環境負荷の少ない輸送手段として鉄道貨物が注目されています。
トラックを使った運送から、鉄道や船舶への輸送に切り替えが今後も進むと予想されます。
そこで、鉄道貨物について、特徴やメリット、課題を簡単にわかりやすく紹介します。
鉄道貨物の特徴は、長距離での大量輸送が可能になることです。
日本の鉄道輸送の大部分はJR貨物(日本貨物鉄道株式会社)が担い、24時間体制で貨物列車の運行管理を行っています。
JR貨物のコンテナ平均輸送距離は900キロ以上であり、特に中長距離帯の輸送が得意です。
コンテナ車を最大26両連結した列車の運行もあり、標準タイプの5トン積みコンテナを130個(最大650トン)輸送できます。
鉄道貨物は、一度に最大で、大型トラック65台分の貨物を運べます。
そのためトラックを使った長距離輸送削減につなげることができるでしょう。
2024年4月以降は、働き方改革関連法の施行で、トラックドライバーの時間外労働の上限が規制されました。
トラックのドライバー1人あたりの走行距離が短くなったため、長距離の輸配送が困難になったともいえます。
2028年には27万人以上のドライバー不足が見込まれており、貨物が運べない危機への対策を講じなければなりません。
そこで登場するのが鉄道輸送であり、長距離輸送削減だけでなく労働力不足解消にもつながります。
鉄道は運行ダイヤに基づいた正確な走行となるため、安定した輸送手段といえるでしょう。
なお、コンテナの貨物駅は日本全国約140か所設置されています。
400本程度の列車が走行しているため安心できる反面、天候による影響を受ける懸念もあり、運行停止にも備えておくことが大切です。
トラック輸送では、集荷と配達の際に貨物への積み卸しが行われます。
対する鉄道輸送では、トラックから鉄道コンテナへ貨物を積み替えます。
貨物が多ければ作業が増え、移動に時間を要するため、作業員負担を軽減する対策が必要です。
さらに鉄道輸送は決められた路線を決まった時間に運行するため、リードタイムが延長する可能性を踏まえた発荷主と着荷主の協力が求められます。