
運送会社への厚生労働省による働きかけは、主にドライバーの労働条件の改善に向けた内容といえます。
人手不足が深刻化する中で、労働環境の適正化は欠かせないといえるでしょう。
そのため、厚生労働省は運送会社の規制を行う機関に留まらず、業界を持続させるために欠かせない存在です。
運送会社は、単に荷運びを行うだけではなく、現場の人たちの権利や健康を守った上で、質の高い労働環境を整備するフェーズにあるといえます。
そこで、運送会社への厚生労働省による働きかけについて、規制や動きを紹介します。
厚生労働省は、2024年4月から、運送業にも時間外労働に対して、年960時間の上限規制を適用しました。
これは、トラックドライバーの長時間労働を是正するためですが、単なる努力目標の規制ではありません。
実効性のある制度として、定着しているかが重要です。
厚生労働省では、労働基準監督署を通じた荷主や運送会社に対する監視を強化しています。
改善されない事業者には、厳格な指導・勧告が行われます。
厚生労働省の定める改善基準告示は、正式名称を「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」といいます。
「改善基準告示」では、拘束時間や休息期間を細かく規定しています。
1日の休息期間は継続9時間以上が基本で、1か月の拘束時間も短縮されました。
運送会社でも、拘束時間や休息時間の遵守に向けて、デジタルタコグラフや動態管理システムの導入を進めています。
また、高齢ドライバーの健康起因による事故防止のために、健康診断の受診を徹底したり睡眠時無呼吸症候群(SAS)対策を強化したりなど、健康管理指針も示しているため、適切な労務管理を心掛けましょう。
厚生労働省と国土交通省は連携して、荷主に対し、運送会社へ無理な配送依頼や長時間の荷待ちをさせないことを働きかけています。
ドライバーの待遇を改善するためには、運賃引き上げが欠かせません。
そのため、荷主勧告制度の運用において、適正取引を促すガイドライン策定を通じ、正当な対価を受け取ることのできる環境の整備が必要です。
厚生労働省では、運送会社の深刻な人手不足に対応するために、「働きやすい職場認証制度」などを通じた若手・女性・高齢者の活躍しやすい環境作りを推進しています。
運送会社では、短時間勤務導入や福利厚生の見直しや業務効率化を進めることが必要です。