どのような業種でも、雑誌や新聞、ホームページなど様々な媒体に広告を打ち出して売上向上を狙うものですが、介護施設でも広告費がある程度高くなっても…と考えることはあるようです。
ただ、広告が虚偽や誇大な内容であることや、都合の悪い部分は記載していないというものは後々問題になります。
特に介護事業所には広告の規制というものが存在しますので、広告費をかけて大きく宣伝することができない場合もあるため、その内容をご説明します。
たとえば利用者などの定着率を何%であるか広告に記載する場合、その数値に明確な根拠があるのなら問題にはなりません。仮に問題だと指摘を受けたとしても、その割合がどのような計算式で算出されたのか、合理的な根拠に基づいて説明できるのならよいということです。
居宅サービスなどでは、指定訪問介護事業所の広告を行う場合、その内容が虚偽や誇大なものであってはならないことが規定されています。虚偽や誇大な内容になっているかの判断が難しいと感じるかもしれませんが、不安を感じる場合には第三者などに意見を求めるようにしましょう。
ただし介護老人保健施設の場合、居宅サービスの広告における規定が虚偽や誇大な内容ではダメ!という部分だけであるのに対し、厳しい制約が規定されています。
介護老人保健施設は、文書やその他、どの方法や媒体かを問わず、次に掲げる事項を除く他、これらを広告してはならないとされています。
① 介護老人保健施設の名称、電話番号及び所在の場所を表示する事項
② 介護老人保健施設に勤務する医師及び看護師の氏名
③ 前二号に掲げる事項のほか、厚生労働大臣の定める事項
④ その他都道府県知事の許可を受けた事項
介護保険法で広告できる項目とされているのは、
① 名称、電話番号、住所
② 施設及び構造設備に関する事項
③ 職員の配置員数
④ 提供されるサービスの種類及び内容
⑤ 利用料の内容
などです。
介護老人保健施設はどちらかといえば介護というよりも医療に添ったケアとなるため、医療の世界では広告や宣伝に関する規制が厳しいことに合わせていると考えられるでしょう。
介護施設と呼ばれる事業所の中でも、介護老人保健施設は医療と密接な関係があることを理解し、広告にも特別に厳格な規制が行われていると理解しておいてください。