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介護ヘルパーは利用者のガス代など公共料金支払いを代行できる?

2023.09.13
分類:その他

訪問介護を利用した際に、介護ヘルパーに買い物ついでにコンビニでガス代の支払いをしてもらうことは可能なのでしょうか。

 出かけることが難しい場合、手元にある払込票で公共料金を支払わなければならないこともあるでしょうが、中にはコンビニでの公共料金支払いはできないと断られるケースもあるようです。

 そこで、介護ヘルパーは利用者のガス代など公共料金支払いを代行できるのか解説していきます。

介護ヘルパーの公共料金支払い代行の見解

 結論から伝えると、介護ヘルパーが公共料金の支払いを代行することはできると考えられます。

 介護事業所や行政によっては、できないとしているケースもありますが、その理由は以下のことが挙げられるでしょう。

 ・公共料金の支払いは直接、本人の日常生活援助に属しないと判断される行為であるため、家事援助の範疇を超えると考えられる

・高額なお金を介護ヘルパーに託すことで管理責任上のトラブルになりかねない

 ただ、訪問介護については仮に介護ヘルパーが代行して支払ったとしても違反にならないと考えられ、たとえばコンビニでガス代や電気代を支払った場合でもサービス購入の一環として考えられます。

 通常の生活必需品を買い物することとの差を説明できないため可能であるといえます。

 ただ、自治体など行政ができないという場合には、具体的に何が理由か説明してもらうとよいでしょう。

  

通帳やカードを預かった振込みなどは不可能

 介護ヘルパーは、コンビニで食材やトイレットペーパーなどの消耗品を利用者に代わって買い物することができますが、公共料金の支払いだけは不可とすることに根拠は認められません。

 そのため可能と考えられますが、介護ヘルパーが利用者から通帳やキャッシュカードを預って銀行に振り込みや引き落としに行くことはできないとも考えます。

 このような行為は金銭管理業務に含まれるため、基本的な生活の一部と認められず、サービスの対象には含まれないと解釈されるからです。

 公共料金を代行して支払うことと違う部分は、金銭の使途が限定されているかどうかです。

 金銭管理業務については、後見制度や地域の権利擁護事業などを利用しなければならないため、介護ヘルパーでは扱うことはできません。

 そのため利用者からガス代の払込票と記載された金額を預かり、コンビニなどで代わりに支払うことは可能と考えられますが、通帳やキャッシュカードを預かってまで対応することはできないと考えられるでしょう。