訪問介護の設立は、複数の書類を作成するなど手続が複雑で、苦労しがちと考える方も少なくないようです。
確かに不慣れな書類作成などで戸惑うこともあるでしょうが、ある程度の流れや必要な準備など把握しておくことで、それほど苦労を感じずに設立できると考えられます。
そこで、訪問介護の設立は本当に苦労が多いのか、事業所開設までの流れや準備しておきたい必要資金について解説していきます。
訪問介護を設立する場合、手続としては次の5つの流れで進んでいきます。
①訪問介護の開業に向けた情報収集と事業計画書作成
②訪問介護の開業準備(法人設立・物件契約・備品調達・職員採用など)
③訪問介護の指定申請(申請書類作成・提出など)
④指定申請の審査・決定(実地調査・指定など)
⑤訪問介護の開業(営業・サービス提供など)
上記の5つの流れのうち、苦労すると感じるのは訪問介護の開業に向けた事業計画書の作成と考えられます。
事業計画書は訪問介護事業をスタートした後の見通しなどを立てるために作成しますが、事業資金を銀行から借りる場合には、将来収益を生み出すことができることを証明する上でも必要になります。
また、指定申請にも使用する書類ため、訪問介護の開設において最も重要な書類ともいえるでしょう。
さらに介護事業所は必ず法人設立が必要となり、会社でなければ事業運営はできません。
配置しなければならない職種やそれぞれの人員数なども決められており、事業所の区画や設備・備品などに関しても基準が定められていますので、基準を満たさなければ事業開始はできないと留意しておいてください。
訪問介護の設立で必要になるお金は、まず法人設立において、登記申請と司法書士へ支払う報酬が10〜20万円は必要になります。
事務所の家賃・備品・車両の準備などでも費用がかかることや、人件費も1か月80万円程度は見積もることが必要となるでしょう。
手元の自己資金だけでまかなうことができなければ、銀行から融資を受けるなどが必要です。
民間銀行から融資を受ける方法だけでなく、政府系金融機関の日本政策金融公庫の融資制度や、自治体の制度融資など活用できる制度はいろいろあるため相談してみることをおすすめします。
なお、借入れ条件は金融機関や自治体によって異なるため、事前の確認は欠かせません。