訪問介護事業所の開業は、従業員がいなければできません。
なぜなら人員基準を満たすことが必要であり、訪問介護員・サービス提供責任者・管理者の配置が必須となっているからです。
単独開業ができない事業である上に、訪問介護員とサービス提供責任者は資格保有者であることも必要など、簡単に開業することはできないといえます。
そこで、訪問介護開業に従業員雇用は必須となる背景といえる、提供するサービスや満たすべき人員基準について解説していきます。
訪問介護で提供するサービスは、主に以下のとおりです。
・身体介護(食事・入浴・更衣・排泄など身体に触れて行う介助)
・生活援助(掃除・洗濯・調理・買い物などの家事サービス)
・通院などの乗降介助(通院の送迎・通院先での受診手続・処方薬の受け取り等)
利用者を直接援助しないことや、日常生活の範囲を超えることはサービスとして提供できません。
また、医療行為はできない決まりとなっていますが、一定条件のもと喀痰吸引等研修を修了していれば喀痰吸引や経管栄養は可能です。
訪問介護事業所の開業においては、次の3者を配置することが必要です。
・管理者
・サービス提供責任者
・訪問介護員
一人で開業できない事業といえますが、それぞれの人員配置基準について説明していきます。
訪問介護事業1事業所について、1人の専任かつ常勤の管理者の配置が必要です。
業務に支障がないのであれば、同一敷地内の他の事業所の仕事と兼務もできます。
管理者になるために取得しなければならない資格などはないものの、制度面の知識や現場業務に精通していることは必要です。
訪問介護事業1事業所の利用者40人に対し、専任かつ常勤のサービス提供責任者1人を配置することが必要です。
常勤のサービス提供責任者が3人以上配置されており、1人が専任であれば、利用者40人に対してサービス提供責任者1人の配置基準を50人へ引き上げることができます。
訪問介護員は常勤換算2.5人以上配置されることになりますが、注意したいのは資格が必要であることです。
訪問介護員として働くためには、以下のいずれかが必要とされています。
・介護福祉士の資格取得者である
・介護職員初任者研修を修了している
・介護職員実務者研修を修了している
・生活援助従事者研修を修了している