訪問介護は、要介護者とその家族の日常生活をサポートする事業といえますが、開業する際には事前準備が大切です。
直接、介護を必要とする方の自宅を訪問し、家事をサポートする生活援助だけでなく、身体的な介助である身体介護も行うからといえます。
特に資金面での準備は必要であり、開業準備を怠ったことで断念しなければならない状況をつくらないためにも、訪問介護を開業で準備が必要な資金や費用について解説していきます。
訪問介護開業では、次の費用に充てる資金の準備が必要です。
・法人設立
・人材雇用
・施設準備
・事務所・備品
・車両
それぞれどのような資金が必要なのか説明していきます。
訪問介護事業所を開業するには、法人格を取得しなければなりません。
法人格を取得することとは会社設立登記を行うことであり、どの法人格を選ぶかによって費用は異なります。
法人印作成・登記費用・司法書士の報酬で、たとえば株式会社であれば30万円前後、合同会社や一般社団法人などであれば10万円前後の費用がかかるでしょう。
なお、NPO法人で訪問介護事業所を開業する際の費用はほとんどかからないものの、手続に3~4か月かかるため、入念な事前準備が必要です。
訪問介護事業所では管理者以外の3名以上の有資格者を常勤配置しなければなりません。
介護福祉士やホームヘルパーに支払う報酬は、1か月あたり18~25万円前後が相場です。
収益の大半は介護報酬となるため、翌月請求した介護報酬が入金されるのは翌々月となります。
少なくとも2~3か月分の人件費等、運転資金を用意しておく必要があると留意しておきましょう。
訪問介護事業所は、事務室や相談室の設置が必要です。
ただしテナント購入や賃貸契約以外にも、自宅の一部を活用することもできるため、コストを抑えたい場合には検討してみましょう。
訪問介護事業所では、利用者をケアする際の衛生管理用品が必要です。
訪問介護計画書作成や介護保険請求を入力する業務で使用する事務備品も必要になります。例えば、事務作業用のデスクやチェア、通信手段となるパソコンやFAXなどです。
訪問介護事業所で利用者宅に車両で訪問するのであれば、車両の準備も必要になります。
また、車両を駐車するスペースも必要となり、意外と見落としやすいポイントであるため注意してください。