日本は超高齢化社会を迎え、今後はさらに介護ニーズが高まると考えられます。
介護サービスに関する需要が高まっているため、その流れに乗って介護事業で施設経営を始める方も増えつつあります。
本来であれば社会貢献につながり、将来性も期待できる仕事といえるものの、失敗してしまうケースも少なくありません。
そこで、介護事業で施設経営に失敗してしまうケースや、成功する上で大切なポイントを紹介します。
介護事業で施設経営に失敗してしまうのは、主に次のようなケースです。
・近隣に競合の施設が多く存在しているケース
・無理に事業拡大したケース
・強みとなるサービスなど差別化ができていないケース
・介護職員の働きやすい環境が整備されていないケース
・人件費が経営を圧迫しているケース
介護事業の施設経験がないオーナーでも、介護ニーズが高まり続けているため、施設運営をスタートすれば儲けることができると安易に考えがちです。
しかし実際には、施設経営の経験がない事業者の場合、独立して自身が運営する方法よりも、会福祉法人などに経営を委託する方法を選んだほうが安心といえます。
施設としての建物は建設し、介護事業者に貸す方法や、社会福祉法人などに土地を貸して賃料を得る方法などが具体的な例として考えられるでしょう。
介護事業で施設経営を成功させるのなら、あくまでも施設経営は利益率が低いビジネスモデルと認識しておく必要があります。
まず、施設経営で主な収入源となるのは介護報酬です。
一般企業なら利益率の高い商品やサービスを追加して、さらに他事業へと新規参入すれば収益を増やすことができるでしょう。
しかし施設経営では入居一時金やサービス利用料などを増額する以外の方法がなく、金額が高くなりすぎれば利用者獲得が困難となります。
さらに利用者が介護保険サービスを利用した場合、1割が自己負担で、残りの9割が介護保険を原資とした介護給付で賄われます。
窓口で支払われなかった介護報酬を国保連などに請求する必要がありますが、サービス提供後に請求し、1か月半から2か月経たなければ入金されません。
施設開業から2か月間ほどは収入がほぼない状態となると留意し、初期費用と約2か月分の運転資金は確保しておくことが必要です。