
福祉事業の設立は、利用者が窓口で負担する分と、施設が請求する介護報酬で構成されます。
サービス提供後、実際に事業所に報酬が入金されるまで、2~3か月程度かかります。
入金まで時間がかかるため、資金繰りが悪化してしまうケースも少なくありません。
資金繰りが悪化すれば、固定費や人件費などの支払いができなくなるため、事業を継続できなくなる恐れもあるため注意が必要です。
そこで、福祉事業の設立における資金繰り問題について、費用項目や苦しくなる理由を紹介します。
福祉事業設立において、初期費用でかかる項目は以下のとおりです。
・家賃
・敷金・礼金
・改装費
・備品費
・車両代
・人件費
開業するエリアや、提供するサービスの種類によって、初期費用の金額は変わってきます。
また、事業開始した後でも、以下の費用が継続して発生します。
・家賃
・水道光熱費
・車両維持費
・ローン返済費用
・事務用品費
・消耗品費
・備品リース代
・人件費
資金繰りの安定に向けて、事業が軌道に乗るまでの運転資金の見積もりを行い、余裕を持った資金計画を立てることが必要です。
福祉事業の収入源は、利用者負担の1割と、介護給付費の9割です。
ただし、利用者の収入や資産によって、利用者負担分と介護報酬の割合は異なる場合はあります。
いずれの場合でも、利用者負担分については、サービスを提供した月の翌月に入金となります。
対する介護報酬は、サービスを提供した月の2~3か月後です。
請求して入金まで、数か月のタイムラグが発生してしまうため、未入金となる期間の資金繰りには注意を払わなければなりません。
開業間もない時期は、手元の資金が不足しがちであるため、運転資金が底をつけば事業を継続できなくなる恐れもあります。
さらに、介護事業は国の政策や制度改正などの影響を受けやすいため、方針によっては収益性を確保しにくくなる恐れも考えられます。
収益を得られない恐れも考慮の上、以下のリスクを抱えていることも理解しておいてください。
・施設内で発生した事故で訴訟を起こされたり賠償請求されたりするリスク
・介護報酬を誤って請求するリスク
・利用者が自己負担分を滞納するリスク
・職員の退職で人員基準を満たせずに事業縮小や介護報酬を減算されるリスク
収益の不確実性が高いため、金融機関から融資を受けたくても、審査で断られる恐れがあることも注意するべきポイントといえるでしょう。