最近耳にすることが多くなったICTという言葉は情報通信技術を意味していますが、日本では情報技術であるITに代わる言葉として注目されています。
介護の現場でもITやICTを活用し、業務を効率化しようとする動きがみられるようになりました。
ただ、その一方でどのように活用すればよいのか、導入すればどのようなメリットがあるのかなど、疑問を感じることもあるでしょう。
そこで、介護施設がITやICTを導入することのメリットなどについてご説明します。
ICTには、情報処理技術以外にも、情報をどのように伝達し共有していくのかといった意味も含まれます。
ITとは情報技術のことで、ほとんどICTと同じ意味の言葉として使われていますが、その言葉の背景には急加速したパソコンやインターネットの普及が挙げられます。
オフィスで業務を効率的に、そして素早く行うために、2000年以降はブロードバンド回線や携帯電話の普及が一般化され、個人でもITにふれることが多くなりました。
類似する言葉にIoTがありますが、これはモノのインターネットという意味であり、様々なモノがインターネットとつながる仕組みや技術を指しています。
インターネットにつながったモノから情報を得たり、得た情報を分析し反応を返したり、という働きがIoTといえるでしょう。
ではなぜ介護施設でもITやICTを導入しようという動きがみられるのか、それは長年にわたる人材不足が関係しています。
日本は少子高齢化が進み、2035年になると3人に1人は高齢者になる時代がくるともいわれています。
実際に高齢者が増え介護を必要とする方が多くなっても、介護を行う人材が不足したままではケアを受けることができない介護難民を増加させることになるからです。
介護難民を増やさないためにも、介護施設でITやICTを有効活用し、効率的に現場を回すことが求められているといえるでしょう。
とはいえ、いくら介護現場の業務を効率化させたとしても、介護人材が確保できなければITやICTで対応できることにも限界があります。
日本は人口そのものが減少しているため、高齢化に伴い労働力人口も少なくなり、高まる介護ニーズに対応するためには少しでも多くの人材を確保することが必要です。
ITとICTの導入による業務の効率化を目指し、それに加え人材を確保できるようになれば、介護の現場も円滑に回るようになり多くの人手を必要としなくても介護ニーズに対応できるようになるかもしれません。