介護業界の人員不足は深刻化している状態であり、現場で働く介護スタッフがかかえる負担も大きくなっています。様々な業務に携わることも増えている状態なので、介護スタッフに対する教育が必要といえますが、実際、どのような研修などが行われているのだろうと疑問に感じている利用者や利用者の家族もいるようです。
ニュースなどで報道される介護スタッフによる利用者への虐待問題など、ケアの質だけでなく倫理観などが問われることのないよう、しっかり研修などを行い教育にも力を入れたいところです。
介護現場で働こうと思えば、資格がなくても可能です。そのため、より入社した後で実施される研修や教育制度が充実していることが望ましく、介護サービスの質にも大きく関係してくることになるでしょう。
人員や時間に余裕がなければ、研修や教育に力を入れることはできないという場合もあるでしょうが、可能な限り適切な介護を行うための研修などを実施するようにしてください。
介護スタッフに対する研修や教育の内容は、食事や入浴、排泄などの介助の技術、高齢者特有の疾患、認知症ケア、高齢者の心理への理解や接遇などいろいろです。
どのような内容を研修で実施していくのかは、誰を対象とするのか、実施するタイミングによっても異なってきます。
すべての介護スタッフを対象とした研修は、利用者の心身状況に応じた介護サービス提供のために必要な技術や知識を身につけることを目的として実施されます。
そのため主に次のような内容を研修内容に含め、教育することとなるでしょう。
・事業所の理念や事業方針
・個人情報保護や法令遵守に関して
・事故防止や身体拘束の廃止について
・食中毒やインフルエンザ、ノロウイルスなど感染症予防について
・認知症やターミナルケアについて
・褥瘡予防、口腔ケアなどについて
研修対象となる介護スタッフの経験に応じ、次のように内容も違ってきます。
社会人としての基本、施設の経営理念、介護全般に関する知識・実践方法、業務の進め方などを主に研修として行います。
介護全般に関する知識や理解を深めるために実施される研修が主となり、新人の育成や業務の課題を発掘・解決するために必要なことなど、中堅として役割意識を強化できるリーダー育成を目的とした内容が盛り込まれます。
経営や労務管理、危機管理などマネジメント部分が主となり、管理職としての役割を認識してもらうための内容が盛り込まれます。