介護事業所の開業において、設立場所をどこにするかは、大切な問題といえます。
開業を検討している地域で、利用者獲得や人員雇用などがスムーズに進むのか事前に調査し、情報を得ておくことは必要です。
このような調査と調査結果を分析することを「商圏調査」といいますが、介護事業所の設立場所を決めるときに重要な商圏調査について解説していきます。
「商圏調査」とは商圏分析ともいい、たとえば新店舗の出店や販売促進の施策立案に向けて、商圏を定めて商圏の人口・地域特性・顧客情報・競合情報などの情報収集を行い、多角的な分析を行うことです。
基準地となる店舗からの距離で同心円を描き、その範囲を商圏として設定することが多いといえます。
商圏の範囲は、ビジネスの主要範囲を指すことが多いといえます。
店舗付近にターゲットの顧客が居住しているか、通って利用する顧客がいるかなどの範囲です。
商圏という概念はエリアマーケティングで非常に重要であり、出店予定地や既存店舗を中心に半径であらわすことが多いといえます。
商圏人口を調べる方法は、主に次の2つです。
自治体等のデータ参照
エリアの実地調査
それぞれの調べ方について説明します。
商圏人口を調べるときは、市区町村が人口動態を調査・集計した「行政要覧」を参考にすると、人口推移や分類ごとの人口構成・人口などを確認することができます。
また、図書館で人口統計データを閲覧できるエリアもあるため、事前に確認しておきましょう。
商圏分析でデータを利用するときには、データ販売会社から資料を提供してもらうといった方法もあります。
商圏で特にターゲット層が多いと判断できるエリアでは、実地調査も行うとよいでしょう。
地図を見れば地形や道路はある程度の把握が可能となるものの、実際に対象のエリアに住んでいる人たちの動きや生活スタイルは見なければわかりません。
そこで、実際に街頭に立ち、季節・曜日・時間帯ごとで通行人の人数や属性を調べます。
周辺を実際に目で見て調査することより、リアルタイムの情報を入手できるでしょう。
ただし実地調査は費用や時間などが多く必要であるため、事前調査にエリアマーケティングGISなどのツールを使用し、重要な調査地のリストを作成するといった方法も併用しましょう。