介護現場で近年問題となっているのが、施設の利用者やその家族による介護スタッフに対する暴力・ハラスメントです。
たとえば仕事をしているときに利用者から暴言を吐かれたり叩かれたり、利用者の家族から威圧的な態度で不快な気持ちにさせられるといったことが該当します。
そこで、介護現場ではなぜこのような利用者やその家族から暴力やハラスメントを受けることがあるのか、そのときにはどのような対処が適切なのか説明していきます。
利用者から暴力やハラスメントを受けてしまい、ケガを負ったり病気を発症したりといった介護スタッフも少なくありません。
厚生労働省の調査では、2~4割の職員が暴力やハラスメントを受け、仕事をやめたいと感じたことがあるというデータもあるようです。
利用者から罵声を浴びさせられたり叩かれたりしても、介護スタッフ自身が自分の未熟さを責めるケースもあるようですが、暴力やハラスメントが続けば自信をなくすこととなり、働く上でのモチベーションを低下させ退職してしまうことになるでしょう。
介護業界は人手不足が大きく問題視されているため、暴力やハラスメントの問題が解決されなければ、さらに人手不足を深刻化させてしまうことになってしまいます。
利用者に不穏な様子が見られるときには、上司やナースに報告し、痛みや不快感の原因を解消するケアを優先させましょう。
痛みや不快感が介護スタッフに対する暴力やハラスメントにつながるケースもあるからです。
利用者がうまく伝えることのできない痛みや不快感がないか、不安に感じていることはないか長めの時間をとり、打ち明けやすい環境を作ってヒアリングしましょう。
暴力やハラスメントを受けてしまったときには、落ち着いて対応するように心掛けてください。
大声で叱ることや悲鳴を上げることなど、必要以上に怯えた態度をとれば相手を刺激することとなり、より攻撃が激しくなるリスクも高めます。
また、ひとりで無理に対応しようせず、他の介護スタッフにもサポートしてもらいましょう。
特に危険を感じたときにはすぐに他のスタッフに協力を求めることが大切です。
相手の暴力の傾向を把握するようにすれば、ある程度の予防することができるようになります。