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介護スタッフの離職率は全産業でも高め?雇用継続が難しい理由を解説

2023.09.27
分類:総務

介護現場の仕事は心身ともに疲労が溜まりやすい印象が強いといえますが、実際に介護スタッフの離職率も高いイメージを持たれがちです。

 これから介護現場で働いてみたいという方にとって、いざ入職したものの、人材が定着しておらず入れ替わりが激しい職場では働きたくないと感じてしまうものでしょう。

 そこで、介護スタッフの離職率は全産業でも高めなのか、雇用継続が難しい理由について解説していきます。

介護職の離職率

 日本は高齢化が進んでいるため、介護サービスに対する需要は年々高まっている状態です。

 しかし介護現場で働く介護人材は足りておらず、深刻化しているため解消に向けた取り組みが郵務とされています。

 介護労働安定センターが公表している「令和2年度 介護労働実態調査結果の概要について」を参考にすると、介護職の離職率は14.9%で全産業の平均離職率15.6%より少し低い割合でした。

 さらに厚生労働省が公表している「令和2年 雇用動向調査結果の概要(産業別の入職と離職)」を見たとき、10%を超える離職率の産業は以下のとおりとなっています。

 ・医療・福祉14.2

・卸売業・小売業13.1

・不動産業・物品賃貸業 14.8

・宿泊業・飲食サービス業 26.9

・生活関連サービス業・娯楽業18.4

・教育・学習支援業15.6

・その他サービス業19.3

 

介護スタッフの離職率が高い理由

 介護現場は常に人手不足といえますが、介護スタッフの離職率が高い理由として次の4つが挙げられます。

 ・勤務時間が不規則

・賃金・待遇への不満

・仕事とプライベートの両立ができない

・人間関係が複雑

 それぞれ解説していきます。

 

 勤務時間が不規則

 介護職は、24時間体制で介護ケアに従事する必要のある入所型の施設もあるため、シフト制で勤務時間が不規則になる場合もあります。

 早番・日勤・遅番・夜勤など、日によって働く時間帯が異なることで、生活リズムを崩してしまい体力や精神面に負担がかかりがちであることが、離職率が高い理由として挙げられます。

 

賃金・待遇への不満

介護職は激務といわれるのに対し、賃金や待遇はよいとはいえない職種です。

ただ、介護職は資格や経験がなくても入職後に経験やキャリアを積むことができるため、全体の賃金や待遇を平均したとき低い数値となることも関係しているといえるでしょう。

経験値の高い介護職にとっては、他業種と比較したときに賃金や待遇面に不満を感じ、辞めてしまうことがあるようです。

 

仕事とプライベートの両立ができない

人生において、たとえば結婚・出産・子育て・介護などが必要となり、仕事とプライベートを両立できる辞めてしまう方もいます。

支援制度など充実している介護事業所は少ないのが現状であるため、両立できる体制整備が求められるといえるでしょう。

 

人間関係が複雑

介護職は職場の上司や同僚だけでなく、利用者とも円滑な関係を構築することが求められるなど、人間関係が複雑といえます。

コミュニケーションが重要となるため、複雑化する人間関係に悩み退職してしまうケースもあるようです。