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介護施設で検討していきたい人事制度のメリット・デメリットとは

2020.08.24
分類:総務

深刻な人材難といわれている介護業界ですが、供給される人材の量や質の問題だけでなく、雇用してもすぐに辞めてしまうなど人材流動性が高いことも大きな問題となっています。

そのため介護施設など介護事業者には合理的な人事制度を設けることが必要といえます。たとえば資格等級制度を明確化させ、評価・給与制度、昇格・昇進などの運用を行いながら介護人材を育成できるシステムを構築させることが求められるといえるでしょう。

介護施設の現状に合ったキャリアパスの構築を

介護事業者側は、人事制度を導入する必要性を十分に理解し、特殊性を持つ介護業界の状況を踏まえた上で施設運営に合うキャリアパスを描くことが必要です。

介護スタッフの能力や意欲向上、スキルアップに向けた努力など、介護事業者にとって望ましい方法に行動してもらえるように伸張・誘導することが重要といえます。

そのためにも継続・安定してその目的を運営できる人事制度を検討しましょう。

介護事業者の経営理念・方針のもと、介護スタッフが自主的に行動できるような人事制度(キャリアパス)が必要であり、等級・評価・処遇(給与・賞与)・昇格・昇進・教育など様々な制度を設けていきます。

それにより、介護サービスの向上や離職率低下などにつなげることができるでしょう。

 

キャリアパスに関する課題とは?

資格等級制度は格付け制度であり、組織での序列における位置などをあらわすことになります。

その基準として、年齢や勤続年数・成果(一定のルールによる職務上のアウトプット)・職務遂行能力に関する知識や技能・一定基準に基づいて設計された組織内での仕事の単位などがあげられます。

職能資格制度などを設ける場合、資格要件として知識や技術の習熟の程度・資格や研修により身に着ける知識やスキル・職歴要件の3つなどを評価することとなるでしょう。

それにより人の異動が柔軟化され、介護スタッフ同士で業務をシェアしながら積極的に助け合うことが可能となります。

 

等級の定義を曖昧にしないことが大切

ただし等級の定義が曖昧になると、人事考課に主観が入りこむこととなり単なる年功序列的な運用に陥りやすくなってしまいます。それにより役職や職務、資格・等級などのバランスがとりにくくなるでしょうし、一度昇格させてしまうと降格させることが難しいので、人件費がかさみやすくなる可能性もあります。

職能資格制度など資格制度には一長一短があるため、特徴を理解した上で介護事業者側の理念や戦略に従いながら、最もよいとされる制度を導入することが必要といえます。