介護事業の開業において、公的介護保険の指定業者には、賠償資力確保が義務付けられています。
実務的には賠償責任保険へ加入することが必要となり、未加入では指定申請は通らないといえます。
介護事業者の賠償義務は、介護や看護の業務中、利用者の身体を傷つけたり物を壊したりといった範囲に留まりません。
たとえばケアプラン作成ミスによる利用者の経済的負担なども含まれます。
そこで、介護事業の開業において加入が必要である賠償責任保険について紹介していきます。
介護事業者の加入する賠償責任保険とは、介護業務を行う事業者が、業務中に利用者の身体を傷つけてしまったときや他人の物を壊したとき、ケアプラン作成ミスなどで利用者に過剰な経済的負担をさせたことで法律上の損害賠償責任を負担しなければならないときのための保険です。
損害賠償責任に対する補償を行う保険といえますが、介護保険法と障害者総合支援法で定められた施設事業者または運営者、社会福祉法による社会福祉事業者が保険契約者となります。
賠償責任保険に未加入の状態では、介護事業の指定業者になれないだけでなく、利用者が安心したてービスを利用できません。
そのため賠償責任保険は必要といえますが、加入することで具体的に次の事故などがカバーされます。
業務遂行中による転落
設備による事故
業務の結果による事故
経済的な損失
人格権の侵害など
それぞれ説明していきます。
賠償責任保険では、管理財物の破損についてもカバーされます。
たとえば利用者の介護ベッド操作を間違ったことで壊してしまったなど、利用者の所有物を管理していたことで起因する事故が補償対象です。
賠償責任保険では、たとえば高齢者をベッドから転落させてケガを負わせてしまうなど、業務遂行中による事故なども補償の対象です。
賠償責任保険では、たとえば施設の手すりが壊れていたことで利用者がケガを負うなど、設備による事故も補償の対象です。
賠償責任保険では、提供した食事で食中毒になったなど、業務結果による事故も補償の対象です。
賠償責任保険では、ケアプラン作成ミスで受けることができたはずのサービスが利用できないなど、利用者に経済的な損失を与えた場合も補償の対象です。
賠償責任保険では、利用者に許可を得ずにホームページなどに写真を載せるなど、プライバシー侵害を訴えられたケースも補償の対象です。