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介護施設で注意しておきたい高齢者の細菌やウイルスの感染リスク

2021.01.20
分類:リスク

新型コロナウイルス感染症が猛威を振るっている状況の中、介護施設でも利用者が感染し重症化してしまわないよう、感染予防対策に気を抜けない状況です。

細菌やウイルスが高齢者にとって生命にも危機を及ぼすこととなりますが、新型コロナウイルスは肺に多大なダメージを与えます。

心肺機能が衰えている方であれば、生死にかかわるほど問題になりますので、細菌やウイルスが侵入することで起きる肺炎について知識を深めておきましょう。

肺炎になるとどのような症状がみられる?

肺炎の症状は、風邪と似ているものの重症化する可能性が高いことが大きな違いです。

細菌性肺炎は細菌の中でも肺炎球菌が主な原因になることが多く、他にもマイコプラズマやクラミジア、その他ウイルスなども原因になることがあります。

肺炎になると、発熱の他、せき・たん・喘鳴などの症状が見られますが、一般的な風邪の症状と似ているため発見が遅れないように注意が必要です。

風邪と似ていても長期化する傾向にあるため、安静にしているのに息苦しさがあり改善されないのなら肺炎を疑うべきです。

 

介護施設では誤嚥性肺炎にも注意が必要に

空気感染や飛沫感染と呼ばれる感染なら、人から人へと細菌やウイルスがうつり発症します。

しかし介護施設の場合、高齢者が発症する肺炎は他にも誤嚥性肺炎があることに注意しておく必要があります。

高齢になると、食べものを飲み込む力や吐き出す力が衰えます。もし細菌を含んだ飲食物などが口から気管に間違って入り込んでしまう誤嚥が起きたとき、肺炎を引き起こすこともあります。

この誤嚥性肺炎は高齢者が亡くなる原因で最も多く、虫歯や歯周病の進行によって口腔内の雑菌増加でも発症します。

口腔ケアを怠らないことも、誤嚥性肺炎のリスクを軽減させる上で重要です。

 

感染予防対策を徹底して行うことが必要

一般的な細菌性肺炎となった場合には、抗菌薬を投与して治療を行います。投薬しても症状が改善されず、快方に向かわない場合は再び検査を行い、肺炎以外の疾患も疑うこととなるでしょう。

治療を行うことは大切ですが、そもそも肺炎にならない予防に努めることが重要です。

特に介護施設では、施設を出入りする方が利用者に細菌やウイルスを感染させてしまわないように、うがい・手洗いを徹底して行うこと、部屋は定期的に換気するなどを行うようにしましょう。

ドアノブやスイッチ、手すりなど、人の手指が触れる場所を定期的に消毒することも必要です。