介護福祉事業情報ラボNursing care work Information Lab

介護職員に求められる介護技術とボディメカニクスの原理とは

2023.10.29
分類:その他

介護現場では、直接利用者と接することになるため、正しい介護技術を身につけておくことが必要です。

誤った知識でケアをしてしまうと、利用者にケガを負わせたり不快な思いをさせたりといった可能性もあります。

また、ケアを担当する介護職員が腕や腰を痛めてしまう可能性もあるため、正しい介護技術を身につけておくことは欠かせません。

正しい介護技術を習得するときには、ボディメカニクスの原理を基本とするとよいとされています。

腰痛防止や仕事の幅を拡大させる上でも必要といえるため、介護職員に求められる介護技術とボディメカニクスの原理について説明していきます。

介護技術とは

 介護技術とは、介護者と利用者がそれぞれ負担のないようにケアを行うための技術です。

 ケアの効率化やスピードを重視するのではなく、安全・自然に利用者が動くことができるような技術ともいえます。

 介護を必要とする方をサポートすることは大切なことですが、介護技術を駆使し利用者ができることまで介護職員が手助けしてしまうと、残存能力の維持・向上にはつながりません。

 そのためあくまでも最小限の力で効果を引き出すことができるボディメカニクスの原理を基本としつつ、身体機能の原理を活用しながら無理なく介護を行うことが必要です。

  

ボディメカニクスの原理とは

 ボディメカニクスの原理とは、腰痛予防につながる介護技術といえますが、体に負担をかけず安全に介護するために知っておきたい知識です。

 具体的には次の8つを原理としてケアを行います。

 ・支持基底面積を広くとる

・重心を下げる

・重心を近づける

・大きい筋群を使う

・水平に移動する

・てこの原理の活用

・体を小さくまとめる

・手前に引く

 それぞれ説明していきます。

 

 支持基底面積を広くとる

 体重を支えるための床面積を支持基底面積といいますが、介護者が足を開いて面積を広く取ることにより、腰への負担を軽減し安定させた状態でケアを行うことができます。

 

 重心を下げる

 重心は低いほうが骨盤は安定するため、腰の負担も軽減させつつ安定した介護体制を維持できます。

 

 重心を近づける

 要介護者と介護者の身体を密着させて重心を近づけることで、安定して身体をまかせてもらうことができます。

 

 大きい筋群を使う

 腰・脚・背中などの大きな筋肉を同時に使うように意識すると、身体の一部分に大きな負担がかかることを軽減できます。

 

水平に移動する

上に持ち上げるのではなく、水平に動かすことで腰に負担をかけず、最小限の力で移動できます。

 

てこの原理の活用

てこの原理を利用することで、最小限の力で重いものを動かすことができます。

 

体を小さくまとめる

体を小さくまとめることで、力の分散を防ぎ身体的負担を軽減できます。

 

手前に引く

押す力より引く力の方がかける力を抑えることできるため、手前に引く動作を意識しましょう。