日本は長寿化によって高齢化が進んでいますが、健康な高齢者の多くは国内や海外に旅行することを趣味とする方も少なくありません。
そこで、今後は高齢者の国内・海外旅行の市場はどのように変化していくのか考えてみましょう。
高齢者の中には旅行に関心が高いケースも少なくありませんが、70歳以上を高齢者ととらえた場合、今後は旅行に関する意識などがどのように変化していくでしょうか。
そこで、次の3つの変化を見ていきましょう。
・旅行先
・旅行時期
・旅行商品
それぞれ説明していきます。
海外旅行の旅行先では、アジアやハワイよりも遠方のヨーロッパを好む傾向が高いといえます。
国内旅行では首都圏など大都市を避ける傾向が見られます。
これらの傾向は旅行の志向が多様化し興味に応じて分散しているなど、時代の背景によるトレンドも関係すると考えられますが、子育てなどに縛られることもないため興味関心がある旅行先へと出かけることができることも関係しているといえるでしょう。
高齢者の場合、旅行時期は人の移動の多い8月のピーク時期を避け、たとえば10~11月などを好む傾向が見られます。
海外旅行の場合、混雑時期を避けることができる6月、国内旅行なら気候のよい5月に旅行する人が多めです。
60代以上は他の年代よりも、添乗員付ツアーを好む傾向が強いといえます。
特に海外旅行は個人で手配するケースと同じく3割強を占めます。
ヨーロッパ方面や高齢者向けの添乗員付ツアーなどを利用することが多いのは、学生時代に海外旅行を楽しんだ経験が比較的多めの40~50代のように、レジャーを目的とした海外旅行経験が少ないからでしょう。
現地でガイドがいない状態で海外旅行することに不安を感じる方が多いため、ツアーを利用する傾向が高いと考えられます。
高齢者と会話したとき、実際の年齢よりも若い方が多いことに驚く方も少なくないことでしょう。
一昔前の高齢者と違い、まだまだ現役として働く方も多いため、身体機能の若返りなどで高齢者の旅行も増える可能性があります。
生活に大きな影響を与えるIoTなど、テクノロジーによる高齢者への恩恵も期待できるため、気軽に高齢者が旅行しやすい環境へと変わっていく可能性もあるでしょう。
以上のことから、高齢者の関心が強い旅行市場は、今後、さらに活発化するとも考えられます。