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成年後見制度では「身分証明書」と「登記されていないことの証明」のどちらが必要?

2023.07.19
分類:その他

「身分証明書」とは、後見の登記の通知を受けていないことなど証明する書類で、一般的な身分証明として使用される運転免許証や保険証とは意味が異なります。

そして「登記されていないことの証明書」は、成年被後見人等として登記(登録)されていないことを証明する書類で、不動産登記や商業登記ではなく後見登記されていないことを意味します。

認知症などで判断能力が十分でなくなった方の財産管理などサポートする「成年後見制度」では、身分証明証と登記されていないことの証明のどちらを提出することが必要なのか、それぞれの違いもあわせて説明していきます。

「身分証明書」とは

「身分証明書」とは、本籍地で次を証明する書面です。

・禁治産または準禁治産の宣告の通知を受けていないこと

・後見の登記の通知を受けていないこと

・破産の通知を受けていないこと

身分証明書が使用されるときは、警備会社に就職するときや会社役員に就任するとき、各種資格試験に合格し名簿へ登録されるときなどといえます。

「成年後見制度」とは

「成年後見制度」とは、認知症などを理由に正しい判断ができなくなった方や、知的障害の方などに成年後見人という援助者を付け、財産管理や必要な手続など支援する制度です。

少子高齢化が進む日本では、認知症により判断能力が低下してしまった高齢者も増加傾向にあり、成年後見制度が活用されるケースも増えつつあります。

「登記されていないことの証明書」とは

「登記されていないことの証明書」とは、成年被後見人などに登記されていないことを証明する書類です。

たとえば、成年被後見人に登記されていると、弁護士・司法書士などの資格登録は認められません。

そのため「登記されていないことの証明書」を登録の際に提出し、欠格事由に該当しないことを証明することが必要です。

他にも建設業許可や古物商許可などを申請する際にも、「登記されていないことの証明書」の提出が必要になる場合があります。

「身分証明書」と「登記されていないことの証明書」の違い

「身分証明書」と「登記されていないことの証明書」は、どちらも同じ内容を証明する書類ですが、平成12331日以前の期間に成年後見人などではないことを証明する場合には「身分証明書」、平成1241日以降の期間は「登記されていないことの証明書」で証明するという違いがあります。

破産者でないことを証明する場合には「身分証明書」でなければ確認できないため、士業の資格登録や建設業許可などの申請で欠格事由に該当していないことを証明するには両方の書類提出を求められることになるでしょう。