介護福祉事業情報ラボNursing care work Information Lab

介護施設で行う看取り介護とはどのようなことを行えばよい?

2020.04.10
分類:その他

看取り看護加算が平成18年に実施され、高齢の方などの看取りは病院以外という選択も可能となり、特別養護老人ホームなどの介護施設を終の棲家として考える方も増えました。

介護を行う方にとって、介護を必要とする方の看取りについては避けることのできない問題ですが、介護施設などでの看取りが増えるきっかけとなった介護報酬の「看取り介護加算」についてご説明します。

看取りで行うこととは?

日本は長寿化が進んでいますが、従来までのどのような状態であっても長く生きるといった考え方から、残された限りある時間を有意義に過ごし自分らしい最期を迎えるといった考え方に変わりつつあります。

このときに重要になるのが、その方を看取る介護ですが、全国老人福祉施設協議会「看取り介護実践フォーラム」によると「近い将来、死を避けることができないとされる方に対し、身体や精神の苦痛を緩和・軽減させ最期まで尊厳ある生活を支援すること」を看取りの定義としているようです。

 

看取りとターミナルケアの違い

終末期を迎えたとき、残りの人生を自分らしく過ごしてもらい、満足した最期を迎えることができる目的で行う医療をターミナルケアといいます。

看取り介護と考え方は似ていますが、ターミナルケアは医療行為であり、看取り介護は介護や介助を行うという部分が異なります。

 

看取り介護とは何を行えばよいのか

実際に看取り介護として何を行えばよいのか考える場合、介護報酬の「看取り介護加算」で算定される基準となる5つの要件を参考にしましょう。

・介護施設、または病院や診療所、指定訪問看護ステーションのいずれかの看護職員と連携して24時間連絡可能な体制を整備していること

・看取りに関する指針を定め、利用者が介護施設に入所するときに本人とその家族に看取りに関する指針の説明を行って同意を得ておくこと

・医師や看護職員、ケアマネジャー、介護職員などが介護施設においての看取りの協議を行い指針についても適宜見直しを行うこと

・看取りに関して職員研修を実施すること

・看取りは個室または静養室などを利用して行い、本人やその家族、周囲の入所者に配慮を行うこと

 

看取り介護は週1回計画の見直しを

看取り介護の内容についてまとめると、常に医療対応が可能である看護師や医療機関に24時間連絡できる体制を整えておくことが必要ということです。

また、本人やその家族の同意がしていなければ行うことはできないので、病院と施設の違いや対応可能な医療行為の選択肢、意思確認を取る方法など事前に話し合いを行っておくことが求められます。

その上で、看取り介護計画は週1回程度の見直しを行いながら実施するようにしましょう。