後期高齢者健康診査とは、筋力が低下したなど加齢を原因として衰えた心身の状況を総合的に把握するために行う健康診査です。
放置したままでは健康や生活機能がさらに損なわれる恐れもあるといえるでしょう。早く対策すれば自立した生活を継続できることにつながるので、健康管理のためにも健診を受診することは必要といえます。
介護施設を利用する方も後期高齢者が多くいますが、後期高齢者の健康診査は疾病を早期発見し必要な治療を受けるためにも大切なことと認識しておきましょう。
後期高齢者の健康診査の対象となるのは、後期高齢者医療制度の被保険者が対象です。
ただ、次のいずれかに該当する方は後期高齢者医療健康診査の対象外ですので注意してください。
・病気または診療所に6か月以上継続して入院中の方
・特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、養護老人ホーム、障害者支援施設などに入所または入居している方
・生活習慣病で医療機関において受診または治療を受けている方(糖尿病などの生活習慣病で医療機関を受診している方は、治療の一環として必要な検査が行われます。健康診査と同じ項目の検査を医療機関で受けている場合には健康診査の対象から除かれます。)
一般的には次の健診項目が内容として含まれます。
・問診(健康状態、食習慣、口腔機能など)
・身体計測(身長、体重、BMI値)
・理学的検査(身体診察)
・血圧値測定
・尿検査(尿糖、尿蛋白)
・血液検査
・肝機能検査(AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GT(γーGTP))
・脂質検査(中性脂肪、HDLコレステロール、LDL(Non-HDL)コレステロール)
・血糖検査(空腹時血糖、HbA1c)
・腎機能検査(血清クレアチニン、eGFR、血清尿酸)
健康診査実施後、医師の判断などで必要と認められた場合には次の詳細な健診項目も追加されます。
・貧血検査(ヘマトクリット値、血色素量、赤血球数)
・心電図検査
・眼底検査
75歳以上の健康診査は、糖尿病など生活習慣病予防と早期発見・早期治療を目的として実施されます。
また、健康診査と一緒に、大腸がん検診(検便)、肺がん検診(胸部エックス線検査)の受診も可能ですので、気になる場合には受診するとよいでしょう。なお、受診の際には大腸がん検診や肺がん検診を実施している医療機関で受診を申し出ることが必要です。