介護福祉事業情報ラボNursing care work Information Lab

介護事業者の施設経営に関連する事業を営んでいることのある特定医療法人とは?

2022.01.11
分類:その他

特定医療法人とは、租税特別措置法に基づいた財団または持分の定めのない社団の医療法人のことです。

介護事業者の施設経営に関連する事業を特定医療法人として運営しているケースも見られますが、介護分野は社会福祉や医療に対する貢献をするためにあります。

そして特定医療法人も、医療普及・向上、社会福祉への貢献・公益増進への寄与など公的に運営されていると国から承認されている法人です。

特定医療法人として認められるための承認基準

特定医療法人とは事業が医療の普及・向上、そして社会福祉に対する貢献、その他公益増進に著しく寄与すると認められることが必要です。さらに公的に次の承認基準のとおりに運営されなければ、国税庁長官から承認を受けることはできません。

・財団または持ち分の定めのない社団の医療法人であること

・理事・監事・評議員・その他役員などそれぞれに占める親族などの割合がいずれも3分の1以下であること

・設立者・役員など、社員またはこれらの親族などに対し特別な利益を与えない

・寄付行為・定款に、解散について残余財産が国・地方公共団体・他の医療法人(財団たる医療法人または社団たる医療法人で持ち分の定めがない医療法人)に帰属する定めがされていること

・法令に違反する事実、その帳簿書類に取引の全部または一部を隠ぺいし、または仮装して記録または記載している事実その他公益に反する事実がないこと

・財務省令で定めるところにより帳簿書類を備え付けてこれにその取引を記録し、当該帳簿書類を保存していること。また、支出した金銭で費途が明確でないものがあることその他の不適正な経理が行われていないこと

さらに厚生労働省告示で定める次の基準を満たすことが必要となります。

・医療法人の事業について次のすべてに該当すること

①社会保険診療などに係る収入金額(公的な健康診査・予防接種・助産・介護保険法の規定に係る収入含む)の合計額がすべての収入の8割を超えること

②自費患者に対しての請求金額は、社会保険診療報酬と同一基準で計算されること

③医療診療収入は医師・看護師などの給与・医療提供に必要な費用など、患者のために直接必要な経費の額に100分の150をかけた額の範囲内であること

④役職員一人につき年間給与総額が3,600万円を超えないこと

・医療法人の医療施設のうち1以上のものが病院を開設する医療法人は次の①または②、診療所だけを開設する医療法人は次の③に該当すること

40床以上(専ら皮膚泌尿器・眼科・整形外科・耳鼻いんこう科・歯科の診療を行う病院は30床以上)

②救急告示病院

③救急診療所であると告示された診療所であり15床以上をあること

・医療法人の各医療施設ごとに、特別の療養環境に係る病床数が、当該医療施設の病床数の100分の30以下であること

特定医療法人は、通常の法人税率23.3%ではなく、19%の軽減税率が適用されることが最大のメリットです。

そして道府県民税や市町村民税の法人税割にも法人税額が影響するため、結果的に法人税率が低減で他の税金も少なく抑えることができるでしょう。