認知症とは、脳細胞の死滅や活動低下などにより、認知機能に障害が起きて日常・社会生活が困難になる状態の総称とされています。
認知症は「物忘れ」のことと考える方もいるようですが、記憶が消失する以外にも理解力や判断力などに影響するため、軽視するべきではありません。
介護がはじまるきっかけになるともいえる認知症ですが、具体的にどのような状態になるのか、その特徴について説明していきます。
認知症は、脳の病気や障害などで、認知機能が低下し、日常生活や社会生活が困難になる状態の総称です。
その原因はいろいろありますが、診断は複数の検査で総合的に行われ、種類や進行度合いを判定します。
面談・身体検査・認知症検査などを行い、発症の過程で次の3つの種類に分けられます。
・アルツハイマー型認知症
・脳血管性認知症
・レビー小体型認知症
認知症の中で最も多いのが「アルツハイマー型認知症」で、全体の半数以上を占めます。
脳にたんぱく質が異常に溜まることで、脳細胞の損傷や神経伝達物質減少などがみられるようになり、脳全体が萎縮することで起きるとされています。
次に多いのが「レビー小体型認知症」で、レビー小体というたんぱく質が脳内に発生することで脳神経細胞が破壊されてしまい発症します。
脳梗塞・脳出血・クモ膜下出血などを要因として、脳の血管が破れたり詰まったりといった脳血管障害を起こし、脳細胞が死滅することによって発症します。
かつて認知症は「痴呆症」と呼ばれていましたが、「痴呆」という言葉は侮蔑的な表現を含むとされ、現在は「認知症」と言い換えられています。
認知症では記憶障害も見られますが、加齢に伴う「物忘れ」とは異なります。
物忘れの場合、「昨日の夕食に何を食べたか思い出せない」といったことがありますが、認知症では夕飯を食べたこと自体忘れてしまいます。
「もの忘れ」と「認知症」の違いは主に以下のとおりです。
【もの忘れ】
・原因…加齢
・記憶…体験の一部を忘れる
・時間や場所…見当がつく
・自覚…自覚あり
・症状の進行…進行しない
・生活への影響…大きな支障なし
【認知症】
・原因…認知機能の障害
・記憶…体験したこと自体忘れる
・時間や場所…見当がつかない
・自覚…自覚なし
・症状の進行…著しく進行することもある
・生活への影響…支障あり