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工事現場にも電動キックボードを導入した清水建設の取り組みとは?

2022.07.15
分類:経営

清水建設(株)は、現場敷地内で移動に伴う負担を軽減することを目的として、敷地面積が広大な土木工事現場を対象として、電動キックボードを導入することとしました。

それにより、現場内をスムーズに移動できるようになりますが、第一弾は福岡市内で施工中のUR箱崎南雨水幹線築造工事作業所に試験導入しており、実際に利用者からも好評を得たようです。

清水建設が電動キックボードを現場に導入したきっかけ

電動キックボードとは、モーターとバッテリーが搭載されたマイクロモビリティであり、電動型の乗り物として注目されています。

今後、都市部で普及していくことになれば、交通渋滞を緩和させることにも繋げることができ、公道を使った電動キックボードのシェアリングサービスなどの有効性を実証する実験なども進んでいます。

土木工事現場は広大な敷地を有することが多く、現場内で移動することも大きな負担になりがちです。

作業を効率化させる上でも、移動をスムーズにすることは必要といえますが、徒歩や自転車は環境負荷がかからない分、体力を消耗することになるだけでなく移動時間もかかります。

自動車を使えば環境負荷とコストで問題を抱えることとなるため、快適・爽快に移動することができ、環境にも優しくコスト負担も少ない電動キックボードを取り入れ、現場で試験導入されることになったようです。

 

今後は様々な現場への導入も検討

第一弾の場所となった福岡市のUR箱崎南雨水幹線築造工事作業所は、移転した九州大学の広大な跡地であり、事務所と現場は1キロ近く離れている状態です。

歩いて移動すれば10分かかり、自転車を使えば3分程度でも何往復すれば疲れてしまいます。

常駐する7人の従業員のうち、5人は頻繁に両地点を往復しなければならないため、電動キックボードを5台導入して移動に活用しているようです。

電動キックボードが備えるGPSと通信機能を活用して、最高速度を自転車の平均的な速度よりも10km程度速い25kmへ制御し、効率的な移動を可能としています。

走行に適さないエリアでのアクセル無効化や、車体を停止する設定にもするなど、安全性にも配慮しているようです。

乗車回数・移動距離・乗車時間など移動データを取得しながら、今後も土工事やシールドトンネル工事などの現場での試験導入を進めていき、敷地内の移動に伴う負担軽減へとつなげていくようです。

工種別に取得した移動データが可視化・分析できれば、作業所内で人が移動することの課題の抽出や、現場運営の効率化や働き方改革へと結び付けることもできるでしょう。