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建設工事中や通勤中の事故による災害を補償する労災保険の休業補償給付とは?

2023.11.26
分類:総務

建設業は、危険な作業なども現場で行うことが多く、業務災害などが発生してしまうこともあります。

 また、通勤中に事故などが発生することもあるため、療養が必要になったときの補償などは労働者にとって気になることといえるでしょう。

 もしも、工事中や通勤中に災害が起きた場合でも、労災保険による休業補償給付を受けることができます。

 そこで、建設工事中や通勤中の事故による災害を補償する労災保険の休業補償給付について紹介していきます。

休業補償給付とは

 「休業補償給付」とは、業務中または通勤中に労働者が災害に遭い、ケガや病気で働くことができず療養が必要になったときに支給される制度です。

 休業補償等給付と休業特別支給金が支給されますが、支給金額は何か所の事業場で使用されているかにより異なります。

 休業補償給付の受給要件は、労働者災害補償保険法で次を満たすことが必要とされています。

 ・業務上または通勤によるケガや病気で療養中であること

・療養のために労働することができない期間が4日以上あること

・事業主から賃金を受けていないこと

 

 休業補償の申請手続

 休業補償給付は、所定の様式で作成した請求書を、労働基準監督署長に提出・申請することが必要です。

 提出した請求書に基づき、調査や審査が行われ、労災認定されれば休業補償給付を受けることができます。

 休業補償給付の申請手続は、次の流れで行います。

 ①休業補償給付請求書を労働基準監督署長に提出

②資料や関係者からのヒアリングなどの調査

③支給・不支給の決定

④支給が決定すれば指定口座に支払い

 もしも事故で従業員本人が亡くなってしまったときには、その遺族が行うことや、会社が代行することも可能です。

 会社には、従業員本人が手続できない場合、申請をサポートすることが法律で義務付けられています。

  

 休業補償の支給期間

 休業補償給付は、要件を満たしていれば休業4日目から支給されます。

 要件を満たしている限り、打ち切りになることはなく、ケガや病気が治って仕事ができるようになるまで支給されることとなるでしょう。

 ただし、症状が残っており仕事に復帰できていない場合でも、医師が症状固定と判断すれば休業補償給付は打ち切られます。

 

休業補償が給付されないケース

 休業補償給付は、休業期間が4日未満のときには支給されません。

 たとえ4日以上でも、調査により労災に該当しないと判断されたときには支給されないこともあります。

 その場合、従業員に「不支給決定通知」が届き、不支給の理由が記載されているため、不服があれば管轄の労働局に審査請求できます。