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建設工事を請け負う建設会社のほとんどは同族経営!そのメリットとデメリットとは

2020.08.12
分類:経営

日本の企業の99.7%は中小企業といわれており、その多くが家族など同族経営を行っている企業です。

中小企業に限らず、上場企業でも同族経営のところが多く、日本の企業の約96%が同族企業というデータもあります。

建設工事を引き受ける建設業でも、約87%は同族経営を行っている企業です。大手ゼネコンといわれている鹿島建設・清水建設・大林組・竹中工務店、これらいずれも同族企業であり、さらに中堅ゼネコンといわれている戸田建設・前田建設・鴻池組・奥村組・野村建設工業も同じく同族企業として挙げられます。

同族企業とはどのような会社?

法人税法上の同族会社とは、保有株式や出資金の合計が発行株式総数や出資金の半分を超えている会社です。

出資資本比率が半分を超えておらず、数%でも保有している創業の一族が経営権を握り企業経営を行っている会社は同族企業やファミリービジネスと呼ばれています。

 

同族経営のメリットとは?

同族経営が多い日本の企業ですが、そのメリットして挙げられるのが経営判断や決定事項の実行がスムーズにできること、会社存続に対する危機感を強く持てること、長期的に経営戦略を立てやすいことなどが挙げられます。

さらに負債など同族企業だからこそ任せることができるというのもメリットとして挙げられるでしょう。

自分たちの好きなタイミングや最適と判断できるときに代表者を交代することが可能であり、世代を超えた後継者を含めながら資金繰りなども検討することが可能です。

非同族企業では安定性が重視される

非同族企業の場合には株主の期待を裏切るようなことは絶対にできませんし、もっとも重要視されるのは安定性です。

改革が必要とわかっていても、適切と思えるタイミングで戦略を実行できないこともあるでしょう。

しかし同族経営なら、必然的に経営トップを交代することは実行されますので、大胆と思われる戦略や改革も可能です。

先代から引き継いだ技術やサービスを使い、資金を長期目線で運用できるでしょうし、変化する時代の流れに沿って企業に新たなシステムなどを組み込むこともスムーズに行うことができます。

 

同族経営にはデメリットもある

ただし同族経営であることで、つい経営者に頼りがちになり後継者が育ちにくくなることや、公私混同があるといった点はデメリットとして挙げられます。ワンマン経営と呼ばれる独断的な経営になりがちで、身内に甘く社内の公平感が保てない傾向が強いのも同族経営のデメリットといえます。

しかし総合的にみれば同族経営であることのメリットのほうが大きいといえるため、大手・中小に関係なくそのメリットをうまく生かした経営を行っていくことが必要といえるでしょう。