空輸対応型油圧ショベルとは、空から災害現場に向かうことができるショベルで、土砂崩れなどの災害が起きた現場の復旧作業に役立つ建設機械です。
たとえ陸路が途絶した場合でも、分解することができるためヘリコプターで運搬することも可能であり、遠隔操縦することもできるため危険な箇所に立ち入ることなく作業を進めることができます。
災害現場まで陸路の輸送路がないものの、油圧ショベルを使用したいという場合には、いくつかのユニットに分けてヘリコプターで空輸し、現場で組み立てればよいだけです。
そこで、空輸対応型油圧ショベルとはどのような仕組みになっているのか、注目されている新型ロボについて解説していきます。
空輸対応型油圧ショベル関連で注目されているのは、九州地方整備局が開発した油圧ショベルに対応した遠隔操縦装置(ロボQ)の新型・ロボQSです。
新型・ロボQSの「S」とは、2代目(セカンド)やスピーディという意味を込めてつけられており、旧型よりも大幅な軽量化や短時間設置、現場まで空輸が可能など進化しています。
福岡県久留米市の九州技術事務所に配備されており、災害が発生したときに稼働できるようになっているようです。
もともとロボQは、雲仙普賢岳噴火の火砕流・土石流災害などをきっかけに、1999年度に開発・導入されました。
全国各地で2次災害リスクのある現場などの無人化施工で活躍してきたロボットですが、搭載できる機種が減少したり現地搬入に時間がかかったりなどいろいろな課題を抱えていたといえます。
そこで、フジタやIHIの技術協力のもと、新型開発を着々と進めてきたとされています。
設置時間も旧型は3時間かかったのに対し、新型は30分程度までに短縮できており、工具も不要でレバーやピン留めなどで組み立てることができます。
新型の重量は80キロであり、旧型は180キロだったことを考えると、大幅な軽量化に成功しています。
さらに分割が可能で、ワンボックスカー1台で運搬できます。
動力源も従来までの圧縮空気から重機バッテリーを使用した電気式に変更されたため、空輸も可能とされています。
動力源の変更で操作反応も改善され、150メートルまでなら遠隔操作もできます。
今後、旧型の更新期などを見極めながら、新型の導入が図られていくこととなるでしょう。