建設工事業情報ラボConstruction Business Information Lab

建設工事を発注する元請業者と受注する下請業者が適正な契約を結ぶために

2020.12.23
分類:経営

建設工事を発注する元請業者と、依頼を受注する下請業者は、それぞれ適正な契約を結ぶことが求められています。

しかし弱い立場にある下請け業者は、元請業者に無理な要求をされても、求めに応じなければ仕事を依頼してもらえなくなると考えがちです。

ただ、後に様々なトラブルにつながることもあるため、元請業者と下請業者の請負契約は建設業法等関係法令に従うようにしてください。

建設工事の請負契約について

建設工事の請負契約を結ぶ元請業者と下請業者は、契約を締結する際には契約書を作成し、次の事項を記載の上、署名または記名押印し相互に交付するようにしてください。

・工事内容

・請負代金の額

・工事に着手する時期と工事を完成する時期

・前金払または出来高払の時期とその方法

・当事者の申し出があったときの工期の変更、請負代金額の変更、または損害負担とその金額の算定方法

・天災その他の不可抗力による工期変更、または損害負担およびその金額の算定方法

・価格などの変動もしくは変更に基づく請負代金の金額または工事内容の変更について

・工事を施工したことで第三者が損害を受けたときの賠償金負担について

・注文者が工事に使う資材を提供、または建設機械など貸与するときの内容および方法

・注文者が工事を確認する検査の時期と方法、ならびに引渡し時期

・工事完成後の請負代金支払時期とその方法

・工事目的物の瑕疵担保責任、または瑕疵担保責任に関する保証など措置を定めるときはその内容

・それぞれ当事者の履行の遅滞、その他債務不履行などで発生する遅延利息、違約金、その他の損害金について

・契約に関する紛争の解決方法

 

元請業者が守らなければならない行為

そして工事を発注する元請業者は、次の行為に注意が必要です。禁止されている行為と守らなければならない項目を確認しておきましょう。

・不当に低い請負代金の禁止…取引上の地位を不当に利用し、原価に満たない金額を請負代金の金額にする請負契約の締結

・不当な使用資材等の購入強制の禁止…請負契約締結後に取引上の地位を不当に利用し、注文した建設工事に使う資材や機械器具などを購入先指定の上購入させる行為

・下請負業者の意見の聴取…建設工事施工のため必要な工程の細目や作業方法、その他元請業者に事項を定めるときは事前に下請業者の意見を聞くことが必要

・下請代金の支払…元請業者は出来形払または完成払を受けたとき、下請業者に当該支払を受けた日から1か月以内、かつできる限り短い期間で下請代金を支払うことが必要

・検査および引渡し…元請業者は建設工事完成の通知を受けたとき、通知を受けた日から20 日以内、かつできる限り短い期間に完成確認の検査を完了することが必要(ただし特約の定めがある場合はこの限りではない)