建設業では、顧客を紹介してもらったとき、その紹介者に謝礼金を支払うこともあるでしょう。
謝礼金は交際費として課税されることがあるため、どのような形で支払うべきなのか押さえておきたいポイントについてご説明します。
本来、顧客を紹介してもらったときでも、取引のあっせんなどを業としていない個人や法人から紹介を受け、謝礼金を支払っても一定の要件を満たすことで交際費にはなりません。
支払った謝礼金は支払手数料などに該当することになりますが、そのためには次の要件を満たすことが必要です。
事前に紹介者と契約を結び、その契約に基づいた紹介であれば、謝礼金を支払っても交際費として計上する必要はありません。
契約の存在を証明するために、契約書を作成しておいたほうがよいといえますし、契約書の基準どおりの謝礼金を支払うことが重要です。
紹介者との契約が顧客の紹介を受ける内容という場合、その旨を契約書内に明記し、記載された内容とおりに紹介を受けることが必要です。
内容とおりの紹介でなければ謝礼金の支払う理由が明確にならないため、交際費として課税されます。
紹介者に支払う謝礼金の金額は、取引内容を勘案した妥当な金額でなければ認められません。
不相当に過大な紹介料を支払っていると、交際費として課税されることになるので注意しましょう。
なお、顧客を紹介してもらうことで支払う謝礼金の妥当なラインは、工事の請負代金の何割という決め方が望ましいといえます。
紹介や仲介などを業とする紹介業者に対し手数料を支払ったときは、その全額を、支払手数料として損金計上できます。
ただ、上記の交際費にならない紹介手数料以外は、原則交際費として損金算入額が制限されるため注意しましょう。なお、交際費認定されれば、原則、800万円以上の金額は損金算入できなくなります。
資本関係にある同族会社に支払った紹介手数料も、税務調査が入れば交際費認定される可能性が高いと留意しておいてください。
なお、紹介手数料は、交際費と支払手数料のどちらで計上する場合でも消費税課税取引という扱いですが、源泉徴収の必要はありません。